習近平国家主席は現地時間1日夜、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで米国のトランプ大統領と夕食を共にし、会談を行った。両国首脳は率直で友好的な雰囲気の中、中米関係や関心を共有する国際問題について踏み込んだ意見交換をし、重要な合意にいたり、今後一定期間の中米関係の方向を指し示した。(人民日報「鐘声」国際論評)
習主席は会談で「世界の平和と繁栄の促進において中米は共に重要な責任を担っている。良好な中米関係は両国民の根本的利益にかない、国際社会が一致して期待するものでもある」と指摘。トランプ大統領は両国関係に対するこの評価に賛同し、「米中関係は非常に特殊かつ重要だ。両国は共に重要な世界的影響力を持つ国であり、双方が良好な協力関係を維持することは両国及び世界にとってプラスだ」との考えを示した。
今回の中米首脳会談で双方は、互いに新たな追加関税を停止するとともに、全ての追加関税を撤廃する方向で協議を急ぎ、早期に互恵・ウィンウィンの具体的合意を図ることで合意した。これは中米両国の発展と国民の幸福に資するだけでなく、世界経済の安定的成長にも資し、各国の利益にかなう。
中米関係発展の鍵は双方が互いの戦略的意図に対して正確な判断をすることにある。ここしばらく米国内では中国に関する否定的論調が強まり、中米関係全体の行方を世界が注視していた。今回の会談で両国首脳は「中米関係は良くしなければならないし、必ず良くできる」との認識で一致。調整・協力・安定を基調とする中米関係の推進で一致した。二国間関係の発展における両国首脳のこの重要な共通認識は、双方が向き合って進み、中米関係の健全で安定した発展の大局を共に維持するうえでプラスであり、世界の平和と繁栄を共に促進するうえでもプラスだ。
中米は世界第2の経済大国と世界最大の経済大国、世界最大の途上国と世界最大の先進国だ。両国には広範な共通利益と巨大な協力空間があるが、いくつかの分野で溝があることも避けがたい。問題の存在は恐れるべきことではなく、対話と協議を通じて問題を解決することが肝要だ。キッシンジャー元米国務長官が指摘したように「米中関係の発展には戦略的思考と先見性が必要だ。米中双方はより良く理解し合い、戦略的意思疎通を強化し、共通利益を拡大し続け、溝を適切に管理・コントロールし、米中は共通利益が溝を遥かに上回ることを世界の人々に示す必要がある」のだ。中米は平等及び互恵を基礎に、相互理解の精神に基づき、両国関係の発展において生じる問題を友好的協議を通じて適切に解決して初めて、協力の基礎を拡大し、共通利益のパイを大きくし続けることができる。今回の中米首脳会談の成果は、中米間は共通利益が溝を上回り、協力の必要性が摩擦を上回り、両国には十分な政治的知恵があり、非衝突・非対立・相互尊重・協力・ウィンウィンを基礎に二国間関係を発展させられることを改めて示した。
中米は来年1月1日に国交樹立40周年を迎える。過去40年間、中米関係は困難や起伏を幾度も経験したが、全体として安定的前進を保ってきた。双方にとって最良の選択は協力であり、ウィンウィンであってこそ素晴らしい未来へ通じることを、歴史と現実は証明している。深く複雑に変化する国際情勢を前に、中米双方は両国首脳間の重要な共通認識に従い、両国民及び世界各国の人々の根本的利益の観点から、中米関係の健全で安定した前向きな発展を推進し、両国民に一層の「満足感」と「獲得感」をもたらすべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年12月3日