香港は静まり、次のことを考えなければならない。今日の香港は本当に人々が望んでいるような「より民主的」な香港なのだろうか。香港は本当に街頭の政治、さらには街頭の暴力的な政治が都市の未来をけん引する道を歩むのだろうか。
米国であっても英国であっても、自国の都市が現在の香港のように秩序を失うことを絶対に認めない。香港の現在の混乱よりも穏やかだった「ウォール街を占拠せよ」運動は最終的に取締を受け、デモ隊の要求も完全に無視された。フランスで長引いた「黄色いベスト運動」も穏やかだったが、フランス警察の毅然とした行動が主流社会から支持された。
米英及びすべての西側諸国は香港の混乱による被害を受けていない。普段ならば国内の混乱に反対する彼らが、香港の抗議デモに大きな声援を送っている。これは不可思議なこと、香港の多くの市民から疑問視されないことなのだろうか。
最大の被害者は香港の多くの永住者だ。うち一部の人による条例改正反対の要求はすでに実現されているが、運動と破壊が止まっていない。混乱が彼らの現実生活と未来にもたらす衝撃はコントロールを失い、彼らの都市及び個人の人生にとって真の脅威になろうとしている。
香港には数多くの問題がある。国民生活の負債と都市の繁栄・発達の程度が合致していないが、香港の各種問題を解消するためには、国際金融などの機能の中心的地位という前提条件を守らなければならない。混乱はすでに香港の国際的な信頼、香港が既存の地位を維持するための必要条件に深刻な損失をもたらした。香港がこのように落ち続ければ、若者の前途に取り返しのつかない、壊滅的な結果をもたらすだろう。
各都市の問題の一部には、若者の前途の問題が含まれる。香港が国際的な金融の地位を保てなければ、都市の衰退という連鎖反応が生じる。香港の若者の前途は何によって守られるのだろうか。今日「道義的」に香港の抗議デモと呼応する欧米社会は、香港の若者の集団損失を補ってくれるのだろうか。
香港社会と欧米社会は価値観で相通じるが、この価値観は香港が西側の都市よりも繁栄するための保障にはならない。香港の繁栄を支えるのは、まず法治・秩序、及びこれをめぐり形成されるビジネスの伝統だ。祖国との特殊なつながりは、香港が繁栄を維持するためのもう一つの保障だ。政治的混乱の騒ぎのなか、何が香港という都市の生命線あるかを必ず見極めなければならない。
政治は常に後悔先に立たずだ。香港でこのように考える人が増え、香港に衰退の道を歩ませないよう行動することを願う。高度な自治が認められている特別行政区である香港を混乱から脱却させ、安全に軟着陸させられるのは、この都市の内在的な力のみだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年9月17日