「ニューヨーク・タイムズ」は最近、世界保健機関(WHO)のブルース・エイルワード事務局長補のインタビューを掲載した。彼は自身の中国での9日間にわたる感染症の視察状況を紹介し、中国の対応策、例えば、自宅隔離、都市封鎖、休校などを評価した。これに対し「ニューヨーク・タイムズ」の記者は「中国がこうしたやり方を採れるのは、独裁国家だから」との妄言を吐いた。
米国人のこうした心理の背景には、西側民主主義の「自信過剰」、中国の制度に対する極端な偏見と無知がある。
新型コロナウイルスによる感染拡大がもっとも早く現れた国として、中国は一貫して人民の生命、健康を最優先し、国を挙げて生命を救う手立てを考え、施行してきた。わずか1ヶ月あまりで感染状況をコントロールし、全世界の公衆衛生事業に重要な貢献を果たした。中国の措置は自国民を守るだけでなく、世界の人々を守り、世界の感染症予防・抑制活動のために時間を稼いだのだ。
エイルワードWHO事務局長補は「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューで、中国が採った厳格な予防・抑制措置に賛同し、これらの措置が「およそ数十万人の中国人を感染から救った」との考えを示した。彼はまた、中米の感染予防・抑制活動を検査、治療費用などの面から比較した。中国ではPCR検査は4時間に短縮されているが、米国では少し前までは依然としてすべての検体をアトランタの指定場所に送らねばならなかったこと。中国の検査は無料で、診断が確定した患者の医療費用の自己負担分は国がすべて負担するが、米国の医療保険システムには「スピード面の障害」があり、検査と治療費用が高額なため、多くの人々が治療を受けられないでいることなどだ。
米国国内では、現地時間3月5日午後の時点ですでに163人の新型コロナウイルス感染症例が確認されているが、米疾病予防管理センター(CDC)は突然、具体的な検査人数の公表停止を宣言した。米国の感染者の死亡率は全世界平均水準の4倍に近づいている。
中国が効果的な予防・抑制措置を採れたのに対し、自国はどの国よりも素晴らしい国と思っている米国がなぜできないのか?これこそが、責任を負う大国と自分優先を追い求める大国の差なのだろう。(国際論説員)
「中国国際放送局日本語版」2020年3月8日