新型コロナウイルスによる感染症の発生後、中国国家衛生健康委員会は7版の治療案、6版の予防・コントロール案を次々と発表、湖北省、北京市、上海市、西蔵(チベット)自治区はこれらをベースに「行政地域案」を策定してきた。これらの対策に目を通すと、時間の推移とともに新たな内容が追加され、それぞれの地域が模索した心得が凝結している。専門家は、こうした中国の対策の更新は各国の感染症対策により多くの可能性を提供すると指摘する。
▽ 変化に対応した治療と予防・コントロール
中国疾病予防コントロールセンターの任馮子健副主任は8日に中国新聞社の取材に応じ、「治療案と予防・コントロール案を絶えず更新することで、変化に対応した感染症対策を行い、各地でより有効な治療、感染予防に取り組むための科学的かつ規範となる案を提供している」と説明した。
国家衛生健康委員会が7日に発表した改訂版の「新型コロナウイルス肺炎予防・コントロール案」を例にとると、「国外の感染患者の入国防止」を明記、経過観察対象者に感染症の深刻な国や地域への渡航歴或いは居住歴がある者という内容を追加、重点的な場所、機関、人混みでの予防策として、訪中者(帰国者)に対して入国時に検疫や健康管理を行うなどの内容が付け足された。これはウイルスが国外から持ち込まれるのではという懸念に対応した対策だ。国家衛生健康委員会によると、7日24時の時点で、中国では累計63人の感染者の入国が報告されている。
「新型コロナウイルス肺炎治療案」は1月16日から3月3日の47日間で7版更新された。専門家は、ウイルスに対する知識が深まっていることを反映しているとの見方を示す。感染ルートを例にとると、飛沫感染、接触感染からエアロゾル感染が存在する可能性を突き止め、さらに糞便や尿による環境汚染がエアロゾル感染や接触感染につながると注意を促した。また、ウイルス感染の診断が便利になり、感染の判定も厳格になった。
最新版の予防コントロール案では、「中国疾病予防抑制センターの技術指導的役割の強化」が初めて打ち出された。広西疾病予防抑制センターの卓家同主任医師は8日に中国新聞社の取材に応じ、「疾病予防抑制センターがしかるべき役割を発揮できるようになる」とし、「治療案、予防コントロール案を絶えず改善していくことで死亡率を下げ、回復率を高められる」と話した。