▽パンデミックはコントロールできるか?
新型コロナウイルスはパンデミックへと発展し、その深刻さが増すとともに、対策も難しくなってきた。WHOのテドロス事務局長は新型コロナウイルスについて、「歴史上はじめてコントロールできるパンデミックになるだろう」と強調。
これについて上海外国語大学国際関係・公共事務学院の湯蓓副研究員は「テドロス事務局長は2つの面からそう判断しいる」とし、「第一に中国、シンガポール、日本などの感染対策の経験に基づいている。中国の1日当たりの新規感染者は2桁にまで下がり、シンガポールの対応策にも効果が出ていること。第二に、感染拡散とともに各国の国民の意識が高まり、防護物資の生産もフルスピードで行われていること。こうしたことが世界的な感染対策にプラスになるとふんでいる」との見解を示した。
WHOのブルース・エイルワード事務局長補は「中国の感染対策は世界に基準を樹立した。中国の経験があれば、各国はゼロから始める必要はない」と言及。陳馮富珍(マーガレット・チャン)WHO前事務局長、梁卓偉・香港大学医学院院長なども中国の感染対策の成果を積極的に評価した。
WHOは1月31日に新型コロナウイルスを「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」と宣言、2月28日には世界的に大流行する危険度を「高い」から 最高レベルの「非常に高い」に引き上げた。
馮副主任は、「WHOがパンデミックを宣言しても、各国に対する拘束力はない。せいぜい対策を強化するよう各国に呼びかけ、様々な戦略や指針となるアドバイスを提供するだけだ。感染対策の効果は各国の決意にかかっている」と説明した。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のマックロス教授は「各国がパンデミック宣言をWHOに催促していたのは、全人類に感染症を正視させ、関連部門から対応策に必要な資金を得るため」と明かす。