今回はワクチン開発の必要性が高い
ワクチン研究は科学、技術、審査・評価機関、公衆衛生、世界の政治家の意思決定など、多くの挑戦に直面している。盧氏は、一定の楽観を維持すべきと考えている。
盧氏は先ほど科学講座『理解未来』の「ウイルスと人類の健康」に参加した際に、中国のワクチンのケースを取り上げた。「数年前に中国の児童の間でエンテロウイルス71型による手足口病が流行した。これは腸内ウイルスの感染症で、アジアで比較的流行した。中国は当時重責を担い、わずか数年で全世界にないワクチンを開発した」
うち代表的な研究機関は中国医学科学院昆明研究所だ。2007年から現在までに開発に成功したワクチンは売れ行きが好調で、東南アジアへの輸出も予定されている。中国の現在の経済・技術の規模があれば、効果的なワクチン開発の可能性が非常に高いことが分かる。
世界のワクチン業界及び予防専門家は、今回はワクチン開発の必要性が高く、未来に対して重要な意義を持つという考えで一致している。将来的に生じうる感染症について、盧氏は次の2点を提案した。
(一)新型コロナウイルスとSARSの間に多くの類似点があるため、そのどちらか1つを対象とするワクチンを開発できれば、同じワクチンプラットフォームを利用できる。抗原の交換に用いることで、予防の目的を達成できる。ワクチン生産は事前の科学技術の研究、その後の販売といった非常に複雑な流れを踏まえる必要があるが、これならば生産・販売の時間を短縮できる。
(二)広域スペクトルのワクチンの生産を検討する。1種のワクチンが各種ウイルスに防護力を持てば、今後はある感染症が流行するたびにそれに特化したワクチンを開発する必要がなくなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月24日