(二)米国と地域内の同盟国の合同軍事演習などの軍事活動が中止、もしくは延期になる。隔年開催のリムパックは中止が正式に発表されていないが、米国が最近フィリピンとの合同軍事演習「バリカタン」を中止したことを考えると、リムパックが予定通り実施される可能性は低い。
(三)空母を除き、米インド太平洋軍の水上艦は依然として、南中国海の軍事行動の需要を満たすことができる。今後1−2カ月内に空母打撃群が再び南中国海に闖入する可能性は低いが、日本、シンガポール、グアムの基地に駐留する艦艇は依然として、南中国海の前線の軍事的存在を維持できる。
(四)感染期間中に中国が台湾海峡もしくは南中国海で行動する「懸念」から、米軍のけん制目的の軍事行動が大幅に増加する。米軍が最近、軍艦・軍機の東中国海及び南中国海における活動状況を大々的にアピールしていることから、感染症の特殊な時期に抑止力を示す意図は明らかだ。
世界で感染拡大が続き、国際政治、経済構造、グローバルガバナンス体制に深い影響を生む。感染症の中米関係への影響は、現状を見る限りマイナスかつ消極的なものだ。中米両国の貿易、テクノロジー、産業チェーン・サプライチェーンなどの分野をめぐる駆け引き、あるいは「断絶」の流れは弱まっていない。米国の大統領選が近づき、「中国問題」の喧伝も避けては通れない議題になる。
南中国海問題について、米政府は海上軍事行動のさらなる実施により中国への強硬姿勢を示すことで、国内の一部有権者の関心と主張に迎合でき、世界的にも同盟関係を強化する効果を発揮できる。言うまでもないことだが、米国が南中国海で頻繁に波風を立て、その他の当事国による係争地域における一方的な行動を放任・奨励するといった消極的な要素が重なることで、沈静化に向かい好転していた南中国海情勢に懸念すべき動乱が生じている。
南中国海は中国を含む南中国海沿岸国の共同の家、中国とASEAN諸国による海洋運命共同体の建設の重要な担い手だ。南中国海の長期的な平和と安定は地域諸国の利益に合致し、国際社会全体の共通の期待でもある。感染期間中及び感染終息後に米国が南中国海で軍事挑発活動を日増しに激化させることについて、我々は島の権益維持能力の建設、民事化機能の拡大(国務院は先ほど三沙市政府による西沙区及び南沙区の建設を批准し、実質的に民事化方向に重要な一歩を踏み出した)、シーパワーの統合、未来の海上作戦方法の変革への対応などの面から十分に準備するべきだ。
それと同時に、我々は南中国海周辺諸国との海上協力を積極的に推進し、干渉を減らし共通認識を促進し、「準則」をめぐる協議を加速するべきだ。公正・透明・開放・協力を主旋律とする地域の秩序の構築に取り組み、南中国海情勢のさらなる動乱、壊滅的な変化を回避するべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月21日