都合のいいシナリオ
今年は米国の大統領選の年で、再任を目指すトランプ氏は民主党候補、米元副大統領のバイデン氏から挑戦を受けている。感染症はトランプ氏の再任の脅威になっている。多くの「スイング・ステート」の世論調査で最近、トランプ氏の支持率がバイデン氏を下回っている。
アナリストは「大統領選を考えると、米国の現政府は感染症の政治化に全力を尽くしているが、その目的は自身の政治的需要に合致する感染対策のシナリオを描き、有権者の基盤を固めることだ」と述べた。
米国の感染状況がまだ深刻でなかったころ、米国の指導者は長期的に中国及びWHOの感染対策を積極的に評価し、米国国内の感染状況については軽く触れるに留めていた。ところが米国の感染状況の悪化が続き、米政府高官の態度が急激に変化した。中国とWHOへの猛攻撃を開始すると同時に、自身の「功労」を吹聴した。
責任転嫁の目的を達成するため、米政府の一部の人物は中国とWHOの感染対策の不徹底により米国に蔓延したと謂れなき批判をし、さらには感染対策のタイムラインの歪曲を試みている。トランプ氏は先ほどインタビューに応じた際に、1月下旬になりようやく米国の情報界から新型コロナウイルス関連情報の報告を受けたと述べた。しかしCNNなどのメディアの調査によると、1月3日に大統領に提出された説明事項に、中国で感染症が発生し米国にも蔓延する可能性があるという内容が含まれていた。ワシントン・ポストも、米国の情報機関が1月と2月に大統領に宛てた複数の機密説明事項の中にも、新型コロナウイルスに関する警告が含まれていたと報じた。
さらにホワイトハウスは、感染対策当局者の米議会との接触の制限を開始した。ある内部メモによると、マーク・ メドウズ大統領首席補佐官の許可を得ない限り、コロナウイルス対策チームのメンバー、及び彼らの主な助手は5月に議会の聴聞会に出席できなくなったという。メドウズ氏は3月末に就任したばかりで、それまでは下院議員だった。ペロシ下院議長(民主党)は、メドウズ氏は議員が真相追究を続けることを知っており、ホワイトハウスがこのようにするのは「真相を恐れる」からだろうと述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月8日