まもなく開かれる全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)では、第13次五か年計画の申し分のない終了をいかに確保するかが、代表・委員らの提言の重点となるだろう。また、第14次五か年計画がどう始まるかも、注目の焦点となる。中国新聞社が伝えた。
現時点の完成度を見ると、第13次五か年計画は全体的に順調に進展している。大部分の目標はすでに前倒しで完成するか、予定の進度に達している。例えば都市化率はすでに60.6%に達し、貧困者支援のための移転はほぼ完成し、重大プロジェクト165件が着実に進んでいる。
「第13次五か年計画期間に中国は貧困脱却で著しい成果を上げたが、難関攻略には依然極めて困難な課題がある。いかにして貧困脱却の取り組みに対する感染症の影響を克服し、これまでに得た貧困脱却の成果を揺るぎないものにし、貧困脱却の難関攻略の取り組みを強化するかなどが今年の両会での代表・委員らの注目する議題となるだろう」と、中国人民大学重陽金融研究院の賈晋京院長補佐は指摘する。
突如襲ってきた新型コロナウイルス感染拡大により中国経済が一度は停止したことで、経済・民生関連目標の達成には多くの試練がもたらされた。北京大学国家発展研究院党委員会の余淼傑書記は取材に対し、「感染症による影響がなければ、目標達成は容易だった。長期的に見れば、今年の両会は中国経済を感染症の影響下から正常な軌道に戻し、経済発展の深いレベルの原動力を掘り起こすことにより注目すべきだ」と指摘する。
余氏は「中国経済の成長目標は長期的視点に立つべきだ。現在の政策も本腰を入れて全力を尽くし、差し迫った試練と結び付けて、財政赤字のGDP比予想、消費券発給、中小企業支援政策、新規インフラ整備投資の拡大、特別国債の発行、財政政策の包括的組み合わせなどが今年の両会で重点的に議論されることになる」と指摘する。
これと同時に、第13次五か年計画目標の申し分のない達成を確保し、イノベーションの先導的役割を強化し、産業のミドルレンジ・ハイエンドへのシフトを後押しすること、新しいタイプの都市化と農業の現代化を推進し、都市部と農村部の調和のとれた発展を促進すること、環境にやさしい生産・生活方式の形成を推進し、生態環境の改善を加速すること、改革開放を深化し、発展の新体制を構築すること、人々の幸福を引き続き増進し、人々全体が発展の成果を共有できるようにすることなども、今年の両会の議題の焦点となるだろう。
第13次五か年計画の終了は、第14次五か年計画の開始を意味する。一つには第13次五か年計画と連結する必要があり、もう一つには感染症の暗い影から抜け出して良いスタートを切る必要がある。第14次五か年計画がいかに始まるかが極めて重要なのは明らかだ。余氏は今年の両会での第14次五か年計画に関する議論が以下の点に集中することを期待する。▽要素の市場化配置を強調し、国内の開放された統一的大市場を構築する▽減税・行政手数料減免とビジネス環境の改善をさらに推し進め、行政のスリム化と権限委譲の改革を深め、貿易の自由化と投資の円滑化をより良く促進する▽工業化、情報化、都市化の融合を実現し、新旧原動力の転換を深める▽地域の調和の取れた発展を実行し、5大都市群の建設を推進する▽科学・教育・文化・衛生への投入を強化し、人々の生活の幸福感を引き続き高める。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年5月18日