民法典は「社会生活の百科全書」と称えられる。全人代常務委員会の決定により、「中華人民共和国民法典(草案)」が第13期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の審議にかけられる。これは新中国初の民法典が間もなく誕生することを意味する。私たち一人ひとりの生活がこの法典の誕生により深く変化する。
それでは民法の後につく「典」とは何を意味するのだろうか。この法典がすべての人にとってこれほど重要なのはなぜだろうか。
すべての人のすべての権利が常に民法の保護を受ける。民法典の発表は、中国の法に基づく民事権利の保護が新たな「民法典時代」に入ることを象徴する。新たに編纂される民法典草案は総則編、物権編、契約編、人格権編、婚姻家庭編、継承編、侵害責任編の計7編で、これに附則がつく。項目は計1260件で、新中国の立法史上の新記録になる。民法典の正式な施行後、現行の婚姻法、継承法、民法通則、収養法、担保法、契約法、物権法、侵害責任法、民法総則が同時に廃止される。
新たに編纂される民法典草案の中で、「平等」と「保護」が全編を終始貫く立法精神となっている。乳児の利益の保護の強化、民事行為能力を制限する年齢基準の引き下げ、弱者に対する特殊保護の宣言、成年監護制度の規定、居住権の規定に関する専門的な章の追加、特定集団の居住の需要の充足などが含まれる。
また民法典草案は時代の発展の需要に適応し、現代社会の現実的な需要に応える。例えば民法典草案は人格権編を単独で設け、国民の名誉権やプライバシー権などの重要な権利の保護を強調する。中国の民事立法の重大革新であり、国民の権利に対する十分な尊重と保護を意味する。インターネットやビッグデータなどの技術発展に伴う個人情報の侵害に的を絞り、民法典草案は個人情報の保護規則を規定した。さらにデータ、オンラインデジタル財産を始めて保護の範囲に収める。高所からの落下物による悲劇が近年しばしば発生しているが、民法典草案は「建築物内から物を投げることを禁止する」という規定を追加し、各方面の責任を細分化し、人々の「頭上の安全」をしっかり守る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年5月18日