オーストラリアの研究機関であるThe Australia Institute's Center for Responsible Technologyは先ごろ発表した研究報告で、「新型コロナウイルスに関する虚偽情報、特に『中国は生物兵器を研究開発するためにウイルスを作りだした』とする陰謀論がインターネット上で拡散する過程において、ソーシャルメディア上の『トランプ支持』グループや匿名ネット集団『Qアノン』が協調的な役割を果たしていた」とした。経済日報が伝えた。
同センターがクイーンズランド工科大学(QUT)の専門家に依頼した研究によると、陰謀論のツイッター上での拡散は協調的なネット世論誘導者による行動のようなものだった。彼らは3月下旬にツイッター上にあった新型コロナウイルス関連ツイート260万件と10日間にこれらの記事に対して行われた2550万回のリツイートについて分析を行った結果、5752のツイッターアカウントが一致した方式で新型コロナウイルス関連情報を6559回リツイートしており、しかも申し合わせたかのように「新型コロナウイルスは中国が作った生物兵器」という陰謀論を拡散していた。10日間で、生物兵器陰謀論と関連するオリジナルのツイートが882件あり、これらは1万8498回リツイートされ、3783回「いいね!」がつき、ツイッターでの閲覧数は約500万回だった。研究の結果さらに、互いに虚偽情報を拡散しているネットワークのうち、2903のアカウントの間に4125のリンクがあったことが裏付けられた。これらのネットワークのうち、研究者は28から30のアカウントグループがあることに気づき、彼らはいずれも「トランプ支持」や共和党を目印にしているか、トランプ大統領を支持する匿名のネット集団「Qアノン」と関連していた。
同報告書は、「ネット世論誘導者がこれらの生物兵器陰謀論を丹念に計画し、広めたのであれ、外部の人がこれを利用したのであれ、目指す世論効果は一致している。つまり、デマで広めたテーマや話題をさらに多くの周辺層に受け入れられるようにし、それによってデマの真実性を高めようとしている」と分析する。また報告書は次のような指摘も行っている。「オリジナルのツイッター記事に含まれる間違いや虚偽情報はもはやロボットのプログラムや他の関連アカウントのみによって拡散されているのではなく、より広範囲に、実際に存在する一般ユーザーによってリツイートされている。メディアやソーシャルメディア上の人気アカウントが陰謀論について意見を述べる際にも、たとえ事実に対する反論であったとしても、虚偽情報が多くの人々に注目されることになりやすい。ソーシャルメディアサイトはしばしば訂正や事実確認をしないまま陰謀論に言及するため、その結果大量の新たな情報の受け手が彼らが本来なら目にすることのなかった虚偽情報に触れることになる。従って、小規模メディアは陰謀論を主流世論にするための重要なアプローチになっている」。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年6月9日