王毅・国務委員兼外交部長は8日、要請に応じラーブ外務・英連邦大臣と電話で会談した。
王部長は次のように述べた。
中英は世界的な影響力を持つ2つの大国として、世界の平和と発展を守る責任を共に担っている。双方の広範な分野における互恵協力の強化は、両国民の根本的かつ長期的な利益に合致する。国際平和及び戦略的安定は現在、一国主義の妨害と破壊を受けている。両国には多国間主義の旗印を高く掲げ、国連を軸とする国際体制、国際法を基礎とする国際秩序を共に守る責任がある。
香港事務は完全に中国の内政であり、外からの干渉は許されない。香港が国家安全を守ることは中国の核心的利益に関わる、堅持しなければならない重大な原則的問題だ。国家安全事務は中央の職権に属する。これは各国の慣例であり、中国も例外ではない。中央政府は基本法第23条を通じ香港特区に国家安全を守るための自発的な立法を命じており、国家安全が中央の職権に属するという属性に変化はない。香港の国家安全が現実的な危害と深刻な脅威を受けていることから、全国人民代表大会(全人代)は思い切って立法し香港に適用する。これは香港の国家安全法律の明らかな不備と長期的な不在を早急に補うことを促し、合理的かつ合法的で避けられない勢いだ。
香港の国家安全立法は一国二制度をより良く貫徹するためだ。中国の全人代で可決された決定の第1条は冒頭から、「国は一国二制度、港人治港(香港人による香港の統治)、高度な自治の方針を確固不動の姿勢で、全面的かつ正確に貫徹する」と説明した。中国の最高権力機関が全人代の立法という最高の法律形式により、改めて一国二制度の堅持を厳かに約束した。我々は国家安全立法が一国二制度を変えるという謂れなき批判を絶対に受け入れない。
香港の国家安全立法の目的は、国家安全を大きな危険に陥れるごく少数の「香港独立」及びテロ分子の行為の処罰だ。これは多くの香港市民が手にすべき各種権利及び自由をより良く保障し、またすべての法を守る外国人が香港でより安心して勤務・生活できるようにする。香港の現行の資本主義制度が変わることはなく、基本法に基づくさまざまな高度な自治権が変わることはなく、香港市民のライフスタイルも変わることはない。国家安全立法は香港の法体制をより十全にし、社会の秩序をより安定的にし、ビジネス環境を更に改善するばかりだ。国家安全立法は「試金石」で、香港の長期安定を願うならば懸念する必要はなく、支持するべきだ。一国二制度の長期安定を願うならば、反対するのではなく擁護するべきだ。
中英はいずれも国連安保理常任理事国であり、国際関係の基本準則を遵守し、他国の内政干渉を避ける範を垂れるべきだ。中英関係の歴史を振り返ると、中国側は英国に内政干渉したことが一度もなく、英国の国内事務に口出ししたことは一度もない。同じく中国側は英国側も中華人民共和国憲法、及び憲法に基づき制定された基本法を尊重し、自国領の国家安全を守る中国側の正当な権利を尊重し、中国の中央政府が一国二制度の方針に基づき香港に対して行う管理・統治を尊重することを願う。英国側はこの問題について、慎重に慎重を重ねた態度を取るべきだ。
ラーブ氏は次のように述べた。
英国側は中国との力強い二国間関係の発展に取り組んでいる。気候変動やイランの核兵器などの国際・地域重大問題におけるさらなる協力強化など、両国の協力はコロナ後に幅広い空間を手にするはずだ。成熟した英中関係の枠組み内で、双方はすべての問題について率直に意見交換できる。英国側は本日の深い交流内容を詳細に検討し、相互尊重の精神に基づき引き続き中国側と意思疎通する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年6月9日