グテレス国連事務総長は11日、デジタル技術が平等で安全な形ですべての人々に恩恵が及ぶよう促すため、「デジタル協力ガイドライン」を発表した。
グテレス氏は同日に行われた「デジタル世界の現状及びデジタル協力ガイドラインの実施」をテーマとするビデオ会議で、人類は技術ガバナンスの鍵となる時期を迎えており、現在の新型コロナの対策にしても、持続可能で包括的な回復の実現にしても、デジタルによるつながりが不可欠であると述べた。
グテレス氏は、われわれの予測を上回るスピードで世界がアナログからデジタル技術へと転換しており、大きな希望と同時に、多数のリスクをももたらしていると指摘した。新型コロナの流行がデジタル世界のよいところもわるいところをも見せてくれた。医療関係者の命を救う能力が向上し、企業のリモート操業を可能にするなど、技術がもたらす恩恵がある一方、技術が濫用され、恨みや差別、虐待を散布する言論もデジタル空間で広がっている。
グテレス氏はかねがねから下準備を進めてきた「デジタル協力ガイドライン」を発表した。デジタルの汎用のつながり、デジタル技術の公共商品化、すべての人々への恩恵、デジタル能力の構築の支援、デジタル分野における人権維持、人工知能の試練への対応、デジタル信頼・安全の構築などの内容が含まれている。グテレス氏は、「デジタル時代の人々をつなぎ、彼らを尊重し、守る」ことを最大の目標に掲げている。
国連は同日、「技術の急速な発展が持続可能な発展の目標の実現に及ぼす影響」をテーマとするビデオ会議を開催した。グテレス氏は席上で、デジタル革命はすべての国・地域及び人類生活のすべての分野に影響を及ぼしている。インターネットは強い力をもつ重要なグローバルな製品であり、ハイレベルの国際協力を最大限に促進すべきと強調した。
グテレス氏は、デジタルギャップは新たな不平等をもたらし、女性、障害者、さまざまな少数グループの社会・経済面の劣勢を悪化させるおそれがあるとし、人類社会は分岐点にさしかかっており、デジタル技術が提供できる無限のチャンスを利用し、医療保健、気候危機、貧困撲滅及びすべての持続可能な目標の実現に向けてより一層努力しなければならないと強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月12日