中米経済の分断は非現実的も、貿易摩擦の長期化に備えが必要

中米経済の分断は非現実的も、貿易摩擦の長期化に備えが必要。

タグ:中米経済 貿易摩擦

発信時間:2020-06-18 15:28:08 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 米国の一部の政治勢力は中米関係を人質にし、中米関係をいわゆる「新冷戦」に陥らせようとしている。中国の政治制度及び戦略的意図を故意に歪曲し、「中国の脅威」をむやみに誇張している。さらにこれを口実とし、中国に対して引き続き全面的に圧力をかける強硬な政策を講じるよう唱えている。


 世界経済は4回の産業移転により溶け合い、各自の職責に専念する、分業がはっきりした世界バリューチェーンが形成された。世界の分業体制において、中国と米国はいずれもその深い参加者である。さらに米国は一部の世界バリューチェーンの主導者でもある。しかし米国主導の世界バリューチェーンであっても、完全に中国から撤退しようとすれば高コストと大きな損失を強いられる。米国企業の昨年の対中直接投資は26億8600万ドルで、中国企業の2018年の対米直接投資は74億7700万ドルだった。2018年現在、中国の対米直接投資残高は755億ドルにのぼっている。中国は保有する米国債を昨年の12カ月のうち9カ月に渡り売り越し、保有額を1兆699億ドルに減らしたが、依然として世界2位の米国債保有国だ。中米のデカップリング(分断)が現実化すれば、中米両国の経済に大きなダメージが生じ、世界経済の安定性に衝撃を及ぼす。


 現在まで、米国が一方的に仕掛けた中米貿易戦争はすでに単なる関税問題から投資、重要技術、知的財産権、為替レート、金融などの各分野に拡大している。その間、中米双方はこれらの問題についてハイレベル協議を重ね、今年1月15日に第1段階の経済貿易合意に達した。しかし中米の実力差の縮小が続き、体系的圧力が拡大し続けるなか、中米貿易戦争が長期化する可能性が高くなっている。


 中米経済・貿易関係は中米関係の「バラスト」で、中米の政治・外交関係の発展に対して非常に重要な安定力を生んでいる。米国は中国に対する偏見、「予防的」なけん制戦略を捨て、中米の未来の経済・貿易発展の新たな空間に目を向けるべきだ。中国の産業構造の調整及び要素賦存の変化に伴い、中米間で二国間貿易の構造的な食い違いが徐々に解消される。中米両国は世界1・2位の経済体であり、潜在的な協力分野が多い。中国経済の急成長は米国の金融、教育、文化産業に広大な市場と成長スペースをもたらした。双方は経済・貿易の協力分野を積極的に拡大すると同時に、アジア太平洋及び世界経済に成長の原動力を注ぐべきだ。(筆者・周晋竹 中国国際貿易促進委員会研究院国際貿易研究部副主任、副研究員)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月18日

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