世界経済の回復は現在もなおおぼつかない。米国では失業率が高止まりしている。ドイツの工業生産は前年同期比25.3%減少した。これは1991年以降最大の下落だ。日本も鉱業生産指数、中心的機械の受注、世帯消費、輸出額などが深刻に落ち込んでいる。世界にはびこる悲観的雰囲気を前に、中国経済は世界経済に3つの強心剤を注入している。
■広州交易会開幕 外資は中国市場への信頼を高める
国連貿易開発会議(UNCTAD)発表の最新の「世界投資報告2020」は「2020年に世界の対外直接投資は40%急減し、過去20年間で最低水準に達する、中でも途上国の下げ幅が最も大きい」と予測する。こうした中、第127回広州交易会が6月15日、正式に開幕する。過去63年間で初めて「クラウド」に足を踏み入れる広州交易会でもある。国内外の企業2万6000社近くが出展し、インターネット上では50の展示エリアが常にサービスを提供し、全国の105のクロスボーダーEC総合試験区と6つのクロスボーダーECプラットフォームがリンクして同時にネットに接続する。
米CNBCは「世界のより多くの資金が中国市場に殺到していることを、全ての兆候は示している。多くの企業は新型コロナウイルス感染症の収束後に中国から撤退するのではなく、中国で産業チェーンを拡大している。中国は現在、実際の行動によって国際的なサプライチェーンと産業チェーンの安定を維持するために建設的役割を発揮している。また、市場参入条件を緩和し続け、より高水準の開放プラットフォームを革新・構築し、公平で公正かつ透明性あるビジネス環境を築いている。これに伴い、中国は重要な外資の投資目的地であり続ける」と分析する。
■夏穀物が豊作 食糧供給は安定
新型コロナウイルスのパンデミック以降、一部の国による食糧輸出の禁止、貿易・物流・食料輸送制限、景気後退が人々の食糧負担能力に影響し、一部の食糧価格が高騰し、世界の食糧安全保障は多重の試練に直面している。6月15日時点で、中国の夏穀物収穫量はすでに9割に達している。1ムー当たりの小麦収穫量は平均4キログラム増加する見通しだ。このうち、冬小麦の主要生産地域の機械収穫面積は2億7000万ムーを超え、機械収穫率は96%以上で安定している。
■経済統計は底打ちし回復
国家統計局が6月15日に発表した5月期の主要マクロ経済指標に、国内外の市場は大いに注目した。このうち一定規模以上の工業企業の付加価値額は前年同期比4.4%増と、2か月続けての増加となった。デジタル経済は引き続き好調で、実物の商品のネット上での売上高は前年同期比5.4%増加した。失業率は5.9%で、4月より0.1%減った。製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.6%、非製造業景況指数は53.6%で、いずれも3か月続けて臨界点以上を維持した。企業活動の再開率は引き続き高まり、6月4日までに各省(自治区・直轄市)の重点プロジェクトの再開率は99.3%に達した。
ペルーのマヨール・デ・サン・マルコス国立大学経済研究所のカルロス・アキノ教授は「過去15年間、中国は世界経済成長の主要エンジンであり続けてきた。新型コロナウイルス感染症の流行から最初に回復した国である中国は、引き続きこの役割を果たすはずだ。世界は過去のどの時期にも増して中国を必要としている。中国経済が一層強大になることで、世界が利益を得るからだ」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年6月19日