王毅国務委員兼外交部長(外相)は1月4日から9日にかけてナイジェリア、コンゴ民主共和国、ボツワナ、タンザニア、セーシェルを公式訪問する。中国の外交部長は新年初の訪問先に31年連続でアフリカを選んでいる。新華社が伝えた。
新型コロナウイルスの感染が現在も世界中で猛威を振るう中、幾重もの困難を克服して実施される今回の外遊は、中国側がアフリカ諸国を非常に重視していることや、アフリカとの関係発展に対する揺るぎない決意の表れであり、中国アフリカ協力フォーラム北京サミット及び中国アフリカ新型コロナ対策特別サミットの成果の着実な実行や、中国とアフリカの伝統的な友情のさらなる発揚を促進することになると分析される。
すでに中国側はアフリカ15ヶ国に新型コロナ対策の医療専門家チームを派遣し、アフリカ12ヶ国と債務返済猶予で合意し、2020年末に返済期限を迎えるアフリカ15ヶ国への無利子借款を減免した。新型コロナ対策での連携により、中国とアフリカの友情をさらに深め、今回の訪問も新型コロナ対策におけるアフリカの自信を高めるうえで積極的な作用を果たすと分析される。
中国政府の許鏡湖特別代表(アフリカ担当)は、「最大の発展途上国である中国と、発展途上国が最も集中する大陸であるアフリカは国際問題における協力パートナーだ。中国は数多くの発展途上国を含む世界各国と共に危機に対処し、世界の平和的発展に中国として貢献することを望んでいる。今回の訪問は、この重要なメッセージを引き続き世界に伝えるものとなる」と語る。
2020年には一国主義や保護主義、パワー・ポリティクスが国際協力の主要な阻害要因となった。中国アフリカ研究院の李新烽常務副院長は、「中国側は今回の訪問を契機に改めて団結と協力を強調し、アフリカ諸国と共に揺るぎなく経済のグローバル化を後押しし、多国間主義を守り、発展途上国の利益を一層守っていくことになるだろう」との考えを示した。
2021年は中国アフリカ協力フォーラム北京サミットの成果の実行における最終段階の年であり、次回サミットがセネガルで開催される。中国外交部(外務省)によると、王部長は次回サミットの準備作業についてもアフリカ側と意見交換を行う。
中国アフリカ協力フォーラムが2000年に発足して以来、中国とアフリカは「10大協力計画」、「8大行動」を共同で策定し、相次いで実施し、貿易額は約20倍に、中国の対アフリカ直接投資は約100倍になった。これらをベースに、中国とアフリカは自由貿易圏やデジタル経済、貧困削減、気候変動対策などの分野で協力できる事が多くあり、今回の訪問はポストコロナ時代において中国アフリカ関係の新たな発展を後押しするうえでプラスになると分析されている。
許氏は、「中国が貧困脱却事業で得た大きな成果はアフリカの人々を大いに鼓舞した。今後双方は貧困削減と貧困脱却、経済回復、食糧安全保障などの分野でさらに協力を強化し続けるだろう」と指摘する。
「ワクチンなど医療衛生分野での協力が次の段階における中国アフリカ協力の焦点となる。アフリカ伝統医学の感染症予防・治療への応用に関する研究も新たな進展を得るだろう」と、李氏は語る。
李氏は、「中国アフリカ協力は引き続き民生分野に重点を置き、中国アフリカ関係を引き続き深め、着実なものにし、民間へ向かい、現場へ向かい、草の根へ向かい、中国アフリカ関係を支える民意の土台をさらに固めることになるだろう」としている。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年1月4日