世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は月曜日、ワクチンの不公平な分配を猛攻撃し、高所得国が圧倒的多数のワクチンを占有していると批判した。「この世界は壊滅的な道徳の失敗に直面している。犠牲になるのは貧困国の命と生計だ」「環球時報」が伝えた。
世界では現在、7種のワクチンが使用開始されている。その中心となっているのは米国と中国のワクチンだ。米国のワクチンはほぼ先進国に流れ、中国のワクチンは主に発展途上国に流れている。
米国のワクチンを使用する高所得国のうち、米国は国内で1200本以上の接種を行いトップとなっている。英国は431万本(英オックスフォード大のワクチンを含む)で、欧州諸国のトップ。カナダはワクチンを最も多く溜め込んでいる国で、報道によると全国民に5回の接種を行えるワクチンを調達しているという。ファイブ・アイズの3つの目が大きくリードしており、ワクチンが最も不足する時期にいずれも自国を優先した(英国は貧困国のワクチン取得のため資金援助をしたと表明したが)。
米国・英国・カナダはいずれも発展途上国の人権を最も強く主張している国であるが、彼らがテドロス氏の話す「壊滅的な道徳の失敗」を助長したことは間違いない。自国の利益と関係なければ他人事として放っておける時に、彼らは他国の人権に対して口先で大きな関心を示す。ところが実際の行動で他国の人権を支援する段になると彼らは尻込みする。
中国企業が開発したワクチンは、高所得国のワクチンの特権を打破し、発展途上国の権利を守る重要資源になった。これは中国のワクチンが割安で、輸送しやすく世界各地で接種できるほか、中国に爆発的なワクチン生産能力があるからだ。しかも中国の感染状況は相対的に見て落ち着いており、外国にワクチンを提供する余力が残されている。