トランプ氏のアカウントをその在任中、特に権限移行期間に凍結することはまだ許せるとしても、退任後もなお一部のSNSが一人の米国国民にそのような扱いを続けるのであれば、米国の標榜するいわゆる「言論の自由」には大きな疑問符を付けざるを得ない。以前はトランプ氏のやりたい放題の発言を黙認し、後になってトランプ氏の発言の自由を封殺する。どのような状況であれ、前後で矛盾するこうした行為の根拠となる理由は見つからない。前者も後者も、その主張する「言論の自由」とは正反対であるとしか言えない。
退任後のトランプ氏の「声量」は以前ほど大きくはない。たとえ在任中のように口から出まかせを言っても、同様の影響力は得られない。米国の大手メディアとSNSがトランプ氏「封殺」で合意した大きな理由として考えられるのは、民主党のエリートらがトランプ「封殺」によってその政治生命を徹底的に絶ち、次期大統領選での再起を防ぐことを望んでいるということだ。この問題において、各者の間には何らかの暗黙の了解があるようだ。
だがこの行為は米国憲法修正第1条の精神に明らかに違反する。すなわち、全ての米国民が言論の自由を享受する権利を保護するという精神だ。これは、現実的利益の前では、米国の自慢する「言論の自由」が一突きで崩壊する見栄えの良いバブルであることを意味している。米国のSNSの背後にある資本の力は、彼らの言うところの「米国の価値観」を守る必要性があるという看板を掲げながら、憲法修正第1条が認め保護する言論の自由をごみ箱に放りこんだ。米国の標榜するいわゆる「言論の自由」の虚偽と欺瞞が、余すところなく露呈したのである。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年5月19日