「私達が米国に来たのは『アメリカン・ドリーム』のためではなく、『ワクチン・ドリーム』のためだ」。CNNの報道で、ワクチン接種のため米国を訪れたあるペルー人はこう語った。ペルーは現在、新型コロナウイルスによる死亡率が10万人あたり551人と世界で最も高い。(文:覃川。人民網掲載)
このような危機的状況を前に、ペルーは十分な量のワクチンを入手できず、ペルー国民はやむを得ずワクチン接種のため外国へ行く「ワクチンツアー」を選択している。そこで、大量のワクチンを買い占めている米国が人気の「旅行目的地」となっている。
だが、全ての人々が米国への「ワクチンツアー」費を払えるわけではない。
ニューヨーク・タイムズによると、米国に殺到する「ワクチンツーリスト」の多くは中南米各国の米国観光ビザを持つ富裕層や中産階級であり、低所得層は高額な旅行費を支払えない。汎米保健機構(PAHO)のまとめによると、米州ではすでに新型コロナウイルスワクチンの接種が4億回以上行われているが、その大部分は米国であり、中南米の人々は3%しかワクチン接種を完了していない。
このことから、「ワクチンツアー」がワクチン分配の不均衡による歪んだ産物であり、新型コロナの抑え込みにとって利点よりも弊害が大きく、社会的分断も深めていることが分かる。そして、他国が「1回分さえ入手困難」な時にワクチンを大量に買い占めている米国が、この危機の火に油を注いでいることは間違いない。