科学データリポジトリのZenodoは7日、米国、英国、豪州などの科学者が共同署名するプレプリントを発表した。論文は、新型コロナウイルスの発生源が実験室だとする証拠は現在なく、また早期感染者と武漢ウイルス研究所との関連性を示す証拠もないと指摘した。
この総説論文に署名した著者には、豪シドニー大学マリー・バシル感染症バイオセキュリティ研究所のエドワード・ホームズ氏、米ユタ大学人類遺伝学部のステファン・ゴールドスタイン氏、カナダ・サスカチュワン大学ワクチン・感染症機関のアンジェラ・ラスムセン氏、英グラスゴー大学ウイルス研究センターのデヴィッド・ロバートソン氏らが含まれる。
論文は、発表済みの大量の新型コロナウイルス発生源研究を振り返り、次の結論を導き出した。大多数のヒト感染するウイルスと同様、新型コロナウイルスの発生源の最も直接的な解釈は、動物由来だ。同ウイルスの既知の疫学史は、以前の動物市場関連の、ヒトの曝露によるコロナウイルスの流行と似ている。
論文は、新型コロナウイルスの発生源が実験室だとする証拠は現在なく、早期感染者と武漢ウイルス研究所との関連性を示す証拠もなく、かつパンデミック前に武漢ウイルス研究所が新型コロナウイルスの「前身」を保有もしくは研究していたとする証拠もないとした。
筆者は最後に、「新型コロナウイルスを動物由来とする多くの科学の証拠がある」と強調した。新型コロナウイルスが実験室の偶然の事故により発生した可能性は完全に否定できないが、野生動物の取引で生じやすいヒトと動物の大量かつ頻繁な接触と比べると、実験室からという経路はほぼありえない。真剣な共同研究により、新型コロナウイルスの動物の発生源を全面的に調査しなければ、世界は未来の同じ人の活動によるパンデミックに対して依然として脆弱になる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月9日