米政府が最近、再び新型コロナウイルスの起源に関する論争を引き起こし、かつ世界保健機関(WHO)が今年3月末に発表した中国・WHO新型コロナウイルス発生源特定共同研究報告書の結論に疑問を呈した。これについて各国の政界要人、専門家、メディアは、新型コロナウイルスの発生源特定は科学に基づかなければならず、その政治利用に反対すると表明した。
南アフリカの連立与党の一つである南アフリカ共産党は22日に公式サイトで、次の内容の声明を発表した。
米国が新型コロナウイルスの発生源特定の問題を政治利用していることを批判する。発生源特定は科学の問題だ。国際社会は科学的、客観的、公正、厳密な精神により発生源特定の問題を対処し、世界の感染対策の協力を促すべきだ。南アフリカ共産党は、地理的位置に基づくウイルス名をつける、あるいは一部の国が関連することを理由とした科学研究への攻撃など、科学の研究を政治利用する企みを非難する。感染症の時代に、世界的な科学協力は人類社会の進歩と保護にとって極めて重要だ。発生源特定の科学研究は、ウイルスの感染拡大を防ぐ重要な手段だ。
イタリアとオランダの2つの実験室は先ほど、新型コロナウイルスの流行前に採取した少量の血液検体の検査をやり直した。通常は新型コロナウイルスの感染者の体内から出る抗体が見つかった。これらの抗体を持つ検体のうち最も古いものは2019年10月の第一週に採取された。これは検体を採取された人が、2019年9月にすでに新型コロナウイルスに感染していた可能性が高いことを意味する。イタリア・ミラノの国立腫瘍研究所のジョバンニ・アポロネ科学主管は、「この結果は、イタリアで新型コロナウイルスの感染が公認の時期よりも早く、一定限度内で拡大していた可能性が高いということだ」と判断した。
NZマッセー大学感染症・生態学者のデヴィッド・ハイマン氏はこのほど、「いわゆる実験室漏洩説は今のところ、直接的な証拠がない。むしろ多くの既知のデータが、新型コロナウイルスの感染拡大が自然の出来事に近いことを示している。科学研究は主観的な憶測ではなく、直接的な証拠とデータの蓄積が必要だ。実験室漏洩という根拠に乏しい説が一部の西側メディアによって持て囃されているのは不可解だ」と述べた。
英バークシャー・サリー病理学サービス機構のウイルス専門家のステファン・ウィンチェスター氏はこのほど新華社のインタビューで、新型コロナウイルスが大自然由来である可能性が「極めて高い」と述べた。「ガーディアン」(豪州版)はこのほど記事の中で、豪州の科学研究者が7月に発表した既存の証拠の再調査結果によると、新型コロナウイルスの発生源の最も可能性の高い解釈は動物由来だとした。
メキシコの疫学専門家のジェラルド・ペレス氏は、「米国は現在再び新型コロナウイルスの発生源特定の問題を持ち出しているが、これは自国の利益を考慮してのことだ。米国は非難の対象を探すという完全に無意義なことをしている。特定の国にすべての責任を押し付けるのではなく、現在探すべきは解決策だ」と述べた。
モルディブのニュースサイトのベテラン編集者は23日、同サイトの「新型コロナ:人種主義、責任押し付け、パンデミックの政治利用」と題した記事の中で、「西側は新型コロナウイルスの発生源特定の問題を政治利用しているが、これは事実の歪曲を試み、責任を中国に押し付けようとしている。発生源特定は容易なことではない。科学者は数十年をかけ世界でエイズウイルスやエボラウイルスなどの病原体の発生源を研究しているが、現在も一致した結論が得られていない。これらの状況は、ウイルス発生源の追跡が科学の活動であり、発生源特定の問題を政治利用すれば今後の同様のパンデミックに対処するため必要な科学の努力を妨害・阻害することは間違いない」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年7月28日