日本降伏から76年目を迎えた8月15日、靖国神社に日本の菅義偉首相が「玉串料」を納め、閣僚や国会議員の一部が参拝した。
「靖国神社は東條英機を含む第2次大戦のA級戦犯14名を祀っており、彼らの両手は被害国の罪のない人々の鮮血に染まっている」。元軍事科学院世界軍事研究部副部長の羅援将軍は取材に対しこう語り、「靖国神社が日本軍国主義の発動した対外侵略戦争の精神的な道具であり、象徴であることは、世界中が知っている」と述べた。日本の首相と閣僚が国際社会の反対を顧みず、供物奉納と参拝に固執したことは、侵略の歴史の真実を認めようとしない日本の頑なな態度を示している。
■「祭祀文化」論はまったく成り立たない
日本の一部学者は、日本文化においては死者に畏敬の念を払い、生前に犯した罪は死とともに清算されるのであり、その後祀り、参拝することは「祭祀文化」に帰するべきだと考える。
「これは『祭祀文化』を名目に、侵略戦争の美化を喧伝している」。羅氏は「日本の学者達の論調はまったく成り立たないものだ。祭祀の対象となっているこれらの戦犯の手は多くの中国国民の鮮血に染まっている。もし祭祀と参拝を死者への畏敬の念に帰するのであれば、最もすべきは彼らのために命を失った罪のない中国国民を荘重に弔い、彼らの前で罪を認め、懺悔することだ。これは断じて文化の問題ではなく、根本的な立場の問題であり、深く根づいた軍国主義思想の為せる業だ。日本は侵略の歴史をしっかりと直視し、反省し、正しい栄辱観を確立する必要がある」と指摘した。
■日本右翼は中国国民と完全に対立
8月15日、中国外交部(外務省)の華春瑩報道官は、靖国神社に関する日本の誤った行為について、「靖国神社問題における日本の一部の政界要人の行為は、歴史的正義への冒涜であり、中国を含むアジア被害国の人々の感情を深刻に傷つけるものでもあり、自らの侵略の歴史に対する日本の誤った姿勢が改めて反映された」と指摘した。
これについて羅氏は、「外交部報道官のコメントは完全に正当かつ理にかなったものだ。日本右翼の逆行的な動きは、平和を愛する全ての国々と人々が容認できないものであり、強く非難すべきだ。日本政界の一部要人は歴史の流れに逆らい、第2次大戦のA級戦犯を祀る靖国神社を公然と参拝するだけでなく、近年、台湾海峡情勢の緊張を頻繁に誇張し、台湾海峡安定の『重要性』を口実に、中国への内政干渉の妄言を繰り返している」と指摘。「一部の日本人は、台湾地区と日本の関係を存亡にかかわる切り離せない関係と称している。これは完全に中国国民と対立する側に立つものだ」と例を挙げた。
また羅氏は、「日本軍国主義の亡霊は今なお彷徨い、『大日本帝国の興隆』という幻想に浸っている。これは我々に、過去の傷跡がまだ癒えていないことを思い起こさせる。我々は国恥を忘れることなく、国家主権と領土的一体性を守るという使命を胸に刻まねばならない」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年8月19日