米宇宙開発企業・スペースXが打ち上げた「スターリンク衛星」が昨年7月と10月の計2回、中国宇宙ステーションにミアミスを起こしたが、米国側は、この接近は、中国宇宙ステーションへの脅威にならないと否認解釈しています。これに対し、外交部の趙立堅報道官は10日の定例記者会見で、「責任を転嫁し、注意をそらすのは、責任ある宇宙大国の態度とはいえない」と訴えました。
報道によりますと、米国側が1月28日に国連宇宙部(UNOOSA)に送った書簡で、スターリンク衛星の接近は既定の緊急避難基準に達しておらず、緊急通報の必要はないと、中国宇宙ステーションへの脅威を否認しました。
これに対し、趙報道官は、「中国は、スターリンク衛星が中国宇宙ステーションにミアミスし、ステーション滞在中の宇宙飛行士の安全を脅かした状況について、国連に報告した。これは、『宇宙条約』第5条に定められた国際的義務に基づく報告だ。米スターリンク衛星の軌道は、その戦略も意図も不明だ。中国宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士らは、確実かつ緊迫した安全脅威に晒され、中国側はやむを得ず衝突回制御を取った」と説明しました。
趙報道官はまた、「中国宇宙ステーションの関連情報はすでに国連に登録済みだ。軌道上の飛行データも公式サイトで公開されている。宇宙飛行士や宇宙ステーションの安全を確実に守るため、類似事件の再発を防ぐために最善を尽くしてほしい」と米国側に呼びかけました。
「中国国際放送局日本語版」2022年2月12日