ロシアの軍事演習「ボストーク2022」が9月1日から7日にかけて、東部軍管区で開催される。中国、インド、ベラルーシ、モンゴル、アルジェリアなどを含む13カ国が招待を受け、演習に兵力を派遣する。中国側は初めて陸海空軍の部隊を同時に同演習に派遣する。地域の衝突を背景とし、この4年に1度定期開催される軍事演習は、米国及び西側メディアから「注視」されている。さらに中国だけを取り上げ、米国は常に「中露の和睦関係に懸念を表している」とした。さらには中露の協力に「世界の安全を脅かす」との大げさなレッテルを貼った。「環球時報」が伝えた。
拡大鏡を使っても「罪証」が見つからないのか、米国及び西側メディアはほぼ憶測のみで中露の「処罰」を試みている。例えば多くのメディアは、中露が今回の演習場所を日本海としたことを喧伝し、さらにはロシアが台湾海峡事務に介入する可能性があると憶測した。しかし皮肉なことに、米海軍の空母「エイブラハム・リンカーン」を中心とする空母打撃群が今年4月、日本海で合同演習を実施し、しかも「通常抑止の信頼性」を高める必要があると大々的に喧伝したばかりだ。
もはや誰もこのダブルスタンダードを珍しいと思っていない。今回の「ボストーク2022」に参加する国を見ると、タジキスタンやモンゴルなどの国は米国との合同演習を終えたばかりで、インドは米豪と共に合同演習「ピッチ・ブラック2022」に参加中だ。米国はインドなどの国が今回の演習に参加することを「主権に基づく決定」と見ているが、中国となると驚きいぶかる言葉になる。今回の軍事演習は「照魔鏡」のように、中露関係を見る米国の歪んだ心をはっきり映し出している。
米国は常に、中露が強化を続ける包括的戦略的協力パートナーシップを不快に思っている。米国は近年、仲を裂くさまざまな行動をし、表と裏で撹乱しているが、いずれも奏効していない。中国は独立自主の大国で、自国の安全の需要と訓練計画に基づき、いつ、どこで、誰と演習を実施するかを決定する。これは中国自身の権利であり、他人の顔色を伺う必要はなく、伺うこともない。
新たな地域安全環境において、中露及び周辺諸国は軍事協力を引き続き掘り下げる必要がある。アジア太平洋の緊張ムードが中露友好関係によって醸し出されたことはなく、中露の合同演習も地域情勢の刺激になったことがない。考えてみるがいい。2つの隣接する世界の大国が、政治・軍事面で相手を疑い、さらには対立するならば、地域安全の許容できない重大問題になるだろう。逆に言えば、中露の堅固な戦略的相互信頼、実り多い二国間安全協力はいずれも、地域の平和・安定にとって極めて重要なプラスの資産だ。逆に米国のアジア太平洋における高圧的な、ともすれば「デカップリング」を叫ぶ姿勢はすでに、地域で広く懸念されている。
米国のエリートの政治的な想像力が枯渇していると言わざるを得ない。狭い視野により、彼らは非同盟・非対抗で第3者を念頭に置かないという中露関係の独立自主の価値を理解しがたく、さらに新型大国関係が持つ広い空間を見ることが難しい。そのため米国は中露関係に対して頻繁に神経質な反応を示す。中露協力の「切実な脅威」を喧伝し、中露の仲を引き裂こうと試みる。しかしこれは彼らの良からぬ下心を示すだけだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年8月31日