中日韓3カ国の研究者が共同編集した歴史教材「東アジア3国の近現代史」が、5月26日に韓国で出版された。中国語版は8日に中国社科文献出版社が出版する。中国側編集を担当した中国社会科学院近代史研究所の歩平常務副所長が、このほど取材に応じた。
――各章節の執筆はどのように振り分けられたか?各国3分の1ずつ担当したのか?
章節に従って3国の執筆者を具体的に振り分けた。原則的に3分の1ずつだが、それほど厳格ではない。東北部の抗日戦争などは、学者の共同執筆だ。
――3国の学者間の連絡や調整の方法は?
各自執筆したものをファクスや郵送で他国に送り、自国語に再び翻訳してから編集会議で議論した。意見が出たものは執筆者に戻し修正してもらい、それでもよくなければ会議で議論し、再度修正した。
―― 社会各界の関心は?
本の完成前に出版社が私のもとを度々訪れ、編集前後の原稿、3国間の議論内容、共通認識の発表を求めてきた。完成した本を見ると、まだ多くの欠陥がある。
―― 欠陥とは?
たとえば、ある部分の歴史への検討が不十分で、問題を見る角度が一致していないことなどだ。もちろん、明確な侵略を皆が認めないなどということはなかったが、細かい表現では見解の相違もあった。また、一部の史実はさらに充実させてもよかった。
―― 出版部数は?
日本では1万部だ。1年余り前に、日本の民間組織が自発的にこの本の出版推進活動を行った。韓国では市民団体と政府が支持している。中国は2万部だ。
――各国でどのように使用されるか?
日本では副教材、中国と韓国では課外読本になる。主に青少年や一般読者向けだ。
――採択率の低さへの懸念は?各国への影響については?
日本の右翼勢力は確実に賛成しないだろう。日本国内からほかに反対の声が上がる可能性もある。だが、採択率について心配する必要はない。この本が示しているのは3カ国の学者の協力姿勢であり、その意義は販売部数よりも重要だ。
「人民網日本語版」2005年6月6日