中日韓3カ国の研究者が共同編集した歴史教材「東アジア3国の近現代史」が、5月26日に韓国で出版された。中国語版は8日に中国社科文献出版社が出版する。中国側編集を担当した中国社会科学院近代史研究所の歩平常務副所長が、このほど取材に応じた。
――タイトルはどの国も同じか?
やや異なる。中国版タイトルは「東アジア3国の近現代史」、サブタイトルは「未来をひらく歴史」だ。日本語版と韓国語版は、このサブタイトルをメーンタイトルに使用し、「共に未来をひらく」意味をより際立たせている。
――字数はどのくらいか?重点はどこにあるか?
約20万字で、1840年の列強によるアジア侵略から現在までの歴史を記述している。通史であり、明確な重点はない。できるだけ歴史を総合的に記録した。
―― おおよその章構成は?
全5章で、近代の列強による侵略、第1次世界大戦、第2次世界大戦、戦後の各国の建設などを扱っている。戦後は分量がやや少ない。単なる戦争の記録に止まらず、当時のアジア各方面の変化も記述した。日本が明治維新によって次第に勢力を増し、世界大戦勃発後に弱小国から列強に変わったことも記述している。
――従来の教科書と異なる点は?
最大の違いは、自国の立場に基づくのではなく、3国が共同編集したことだ。多くの章は、3国間の討論を経たものだ。
―― 出版ルートは?
中国では中国社科文献出版社が、日本と韓国ではそれぞれの出版社が出版する。
――最初に編集を考えた理由は?編集委員の数は?各国編集者の構成は?
各国十数人、計30~40人だ。すべて民間で、学者と歴史研究者が多い。
――資料の収集と考証はどのように進められたか?
大まかに分業して各人が資料の収集と考証を行い、提出された意見を再び議論した。脱稿後、3カ国で再び議論し、修正した。
「人民網日本語版」2005年6月6日