温家宝総理は19日、第6回東アジアサミット(インドネシア・バリ島)で、南中国海問題について中国側の立場を明確に表明した。温総理の発言の要旨は次の通り。
東アジアサミットは南中国海問題を話し合うのにふさわしい場ではない。本来この問題を話すつもりはなかったが、一部の国の首脳が中国に言及した以上、返答をしなければ失礼にあたる。中国側の立場を改めて表明したい。
南中国海問題における中国の基本的な立場と主張は明確かつ一貫したものだ。2002年に中国とASEAN諸国は「南中国海における各国の行動宣言」に調印し、実務協力を推進するとともに、「南中国海における行動規範」の策定に向けて努力することで合意した。これはASEAN諸国と中国の共通意思だ。南中国海係争は直接関係する主権国間の友好的協議・交渉を通じて、平和的方法で解決する。これは「南中国海における各国の行動宣言」の共通認識だ。各国は地域の平和・安定維持の大局に立ち、相互信頼を強化し、協力を促進する行動をとってほしい。
東アジアおよび南アジアの経済発展は、南中国海係争がこの海域の航行の自由と安全にいかなる影響も与えていないことを側面から証明している。国際法に基づく各国の航行の自由は十分に保障されている。南中国海は中国、域内諸国、および世界各国によって重要な輸送航路だ。中国政府は南中国海の航行の安全維持に積極的に貢献してきた。
各国の共同努力の下、東アジアは平和と安定を長く維持している。東アジアの長期的な安定・平和を人々は望んでいるし、これは大勢でもある。東アジア諸国には、歴史の残した問題を適切に解決する知恵と能力がある。
現在の情勢の下、東アジアサミットは首脳の率いる戦略フォーラムとしての性質を引き続き堅持し、団結・発展・協力の主題を堅持することが特に必要だ。この方向性から乖離してはならない。
「人民網日本語版」2011年11月20日