全国各地で猛暑が続く中、「四大ストーブの一つ」と称される南昌市はうだるような暑さだ。南昌市の中心部から車で北西に10キロ走ると、うっそうとした森林が視界に飛び込み、涼しさを感じさせる。現地の人々によると、ここは「湾里」という、南昌市で面積が最も狭い区であるという。湾里の森林率は73.2%に達し、気温は南昌市を3−5度下回る。湾里は南昌市の酸素バー、緑地で、「小廬山」と称されている。
私たちは湾里区梅岭鎮の主峰の付近で、「澄隆山庄」と書かれた家に足を踏み入れた。主の胡暁根さんは私たちを温かく迎え入れ、沢山のブドウを持ってきてくれた。「味見をどうぞ、普通のブドウと違った味がしますよ」私たちは半信半疑で、ゆっくりと食べ始めた。確かに、引き締まった果肉と甘くすっきりした味は、めったに食べられないものだった。「有機栽培のブドウです。ブドウの味をよくするために、ニワトリやハトのフン等の有機肥料を使用しています。ブドウの実がなると、鳥に食べられないように袋をかぶせます。こうすれば農薬を使う必要もありません」
胡さんは4年前、梅岭風景区の20ムーの土地を借り、ブドウの栽培を始めた。当時はすでにブドウが広く栽培されており、一定の規模に達していた。胡さんのたった20ムーの土地は競争力を持たず、大規模栽培の農家とは比べようもなかった。そこで胡さんは、ブドウの品質を高め、自らのブランドを樹立することを考えた。胡さんは上海から技術者を招き、有機栽培を始めた。すぐにその優れた味と品質で、胡さんの有機ブドウが有名になった。生産量は通常のブドウの3分の1程度だが、価格は2倍に達する。胡さんの有機ブドウは現在、毎年10万元の投資で30−40万元の収入を得ることができる。商品のほとんどは南昌市政府の関連機関から受注しており、販売に困ることもない。
胡さんの事業が拡大していった。胡さんは昨年料理店を開き、「農家楽」(郊外の農家が営む飲食店・民宿)の経営を始め、年間収入が70−80万元に達するようになった。
(文:外文局環境・気候報道チーム『人民中国』張春侠)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年8月11日