ハルビンは中国の有名な旧工業基地であり、厚い工業基盤を持っている。市の責任者は「工業による都市振興」の発展戦略に基づいて、先進的な科学技術を導入し、企業に対して構造調整、体制改革を行った。1999年、10億7000万元を投資して自動車、食品、医療・薬品、機械・電子設備の4大産業に対し54件の技術改造を行い、80社余りの国有企業を公司に換えた。それと同時に、製品や在来産業のグレード・アップを急ぎ、新しい経済成長点を生み出した。ハルビン飛行機製造公司グループが開発した運―12汎用飛行機はすでに20余りの国と地域に輸出されている。また、同グループが開発したミニ・カーはすでに15万台の生産能力を形成し、また生産能力20万台のハルビン東安エンジン製造公司は中国のミニ・カー・エンジンの生産基地となっている。ハルビン医薬グループ有限公司は昨年上半期の営業額が38億3000万元に達し、全国の同業種をリードしている。1999年初めから2000年末にかけて、同市の工業は成長の勢いを保ち、昨年の1月から9月までに達成した工業総生産額は735億1000万元となり、年末には1000億元を上回る見込みである。国有企業全体が赤字から黒字に変わると見られている。
ハルビンは農業が発達した地区であり、穀物総生産量は年平均約800万トンで、商品食糧の供給はずっと全国の省都でトップにいき、農業は黒竜江省ないし全国で重要な地位を占め、同市所轄の12県(市)のうちの8県(市)が国家級商品食糧基地となっている。農業、林業、牧畜業、漁業の総生産額は黒竜江省の総生産額の3分の1を占め、1999年には266億4000万元に達した。
恵まれた生態環境と豊富な資源の強みを生かして、ハルビンはグリーン食品生産基地の建設に力を入れ、グリーン食品の加工企業を支援し、ブランド・グリーン食品の開発に取り組み、著しい成果を上げた。1999年の同市の農村部の1人あたり収入は2408元に達した。
投資環境の改善は同市の対外開放を大いに促している。第10次5カ年計画期(2001―2005)、規模の大きい、科学技術の含有量の高い重要なプロジェクトの建設がすすめられる。例えば、燃料エチル・アルコールプロジェクト、尼爾基ダム、ハルビン国際会議展覧センター、ハルビン飛行機製造公司グループが導入する日本ミニ・カー・プロジェクト、ハルビンの軌道交通一号線プロジェクト、ハルビン市街区の集中暖房プロジェクト、ハルビン医薬業種の技術改造プロジェクトなどがそれである。
「東方のモスクワ」、「東方のパリ」といわれているハルビンの観光事業はすでに支柱産業になっている。外国風の繁華街――中央大街、松花江のほとりにそびえ立つ洪水防止記念塔、1907年に築かれたビザンチン風のソフィア教会堂、避暑地として知られる太陽島や氷雪祭り、森林、異国風景、民俗などはいずれも大きな魅力を持っている。
年一度の50日間にわたるハルビン氷雪祭りは、民間氷灯芸術の展示を主な内容とし、観光、経済・貿易、科学技術、文化、芸術、スポーツを一体化したイベントである。氷雪祭り期間には、氷灯芸術博覧会、雪像芸術博覧会、カーニバル、撮影コンクール、絵画コンクール、映画祭、氷上結婚式、元しょう提灯づくりコンクール、ヤンココンクール、国際女子アイス・ホッケー招待試合、雪上サッカー、寒中水泳などが催される。また、地元の工業製品の展示・即売を主とする経済・貿易活動は同市のグランド品、特産品、新製品を紹介するとともに、経済商談会、科学技術成果の譲渡、観光製品の販売なども行われる。
今日のハルビン人は21世紀にハルビンをより麗しい都市に築き上げることをめざしている。
「北京週報」2001.No.08より