昨年11月、三亜で国際婚姻祭りが催された期間、代表団を率いて三亜市を訪れた仏カンヌ市副市長のメリアイ女史は、三亜海岸の芝生の上に立ち、海に向かって息を深く吸い込み、「三亜の空気は甘い」と賛嘆した。

　これはメリアイ女史一人の感受であるだけでなく、三亜を訪れた内外観光客や参観者もみな三亜の環境のすばらしさに驚いている。1998年、世界環境保全機構が世界の158市の大気を測定した結果、三亜の大気の質は世界第二位にランクされた。このため、三亜は世界ではめったにないきれいなところだと言うことができる。

　三亜市は中国海南島の最南端にあり、南中国海に臨み、熱帯海洋モンスーン気候に属している。他所にない独特な観光資源と良好な生態環境にたよって、三亜市はわずか10数年で、新興の国際熱帯臨海観光都市に発展し、前にもまして内外観光客に喜ばれている。アメリカの権威的機構である都市土地企画院の専門家は、三亜市には破壊されていないすばらしい資源があり、三亜市の発展の潜在力と見通しが非常に明るいものだと語った。

　以前、三亜は辺鄙なところにあり、経済が発達していなかったため、近代的な工業文明による破壊を免れ、自然が人類に残した貴重な贈物であった。三亜には汚染されていない青空と澄みきって真青な海水があり、観光客は柔らかくきれいな砂浜の上で明媚な陽光と清新な空気を心ゆくまで享受することができる。三亜市に国家クラスの珊瑚保護区があり、深さ10メートルの海底に潜ると、そこは珊瑚と魚の群れによって構成されるすばらしい水底世界である。探険が好きな人は神秘感にあふれる熱帯雨林に行くことができ、また温泉に入って心身をリラックスさせることもできる。きれいな椰子とシュロの木々は三亜の通りや砂浜、島も飾り立てている。

　すべての観光都市と同じように、三亜にも天涯海角遊覧区、南山文化観光区、亜竜湾国家観光リゾート区、鹿回頭公園などの著名な景観や名所旧跡がある。近年新たに建設した景観のうち、最も注目されるのは世界各大洋から集めた珍しい貝殻を展示する貝殻博物館、飛び交うチョウチョウの中に身をおく蝴蝶谷、珍しい花や木が集まっている熱帯生態園林である。

　三亜市はリー族、ミャオ族などの少数民族が集まり住んでいるところであり、多彩な民族風情も三亜の特色の一つとなっている。風格の異なる民家、美しくユニークな服飾、古風で質朴な生活習俗、豊かな文化的伝統はどこでも見られ、ユニークな風景となっている。祭日や結婚式の時は、観光客が彼らの家に招かれて一緒に飲んだり、踊ったりすることもある。

　三亜市はグルメの天国とも言われている。ここでは魚類、貝類、えび、かになどいろいろな海の幸を賞味することができる。

　メリアイ女史は三亜を離れる前に、「三亜がこんなに美しいとは思わなかった。三亜は何カ所しか見物しなかったが、その優雅さ、静かさ、快適さ、熱情は忘れることのできないものであり、その感じはまるで天国のようである。帰ってから家族や友人に私たちが天国で過ごしたすばらしい日々を話したい」と今後もチャンスをつくって三亜をもう一度訪れ、そのよさを心ゆくまで味わってみたいと語った。

　カンヌ市と三亜市は姉妹都市である。メリアイ女史は三亜で案内した人に、ヨーロッパ人は観光の話になると、オーストラリア、ハワイ、タイ、日本などに行くと言い出すが、三亜に行きたいと言う人がいない。三亜があるということを知らないからだ、と話した。

　三亜市は新興の観光都市として、その知名度がまだ高くない。そのため、三亜市は「三亜を世界に進出させ、世界に三亜があることを知らせよう」というキャッチフレーズを打ち出した。

近年来、三亜市の観光代表団はしばしば日本、韓国、ロシア、ドイツおよび東南アジア諸国を訪問し、交流と協力を積極的に展開し、またインターネットをフルに利用してＰＲし、内外観光業者を三亜に視察、商談に来るように招請している。その結果、これらの国からの観光客は年を追って増えている。

　急速な建設と発展によって、三亜の観光施設と受け入れ能力は短期間に増加し、向上した。国際一流のホテル、ビーチゴルフクラブによって、三亜市の品位と影響もたえず高く大きくなり、これまでの観光型観光目的地から休暇・会議型観光目的地に変わりつつある。わずか半年で、第４回アジア・太平洋地域島嶼観光政策フォーラム、第２回グローバル化フォーラムなどのハイレベル国際会議が三亜で開かれ、多くの国の政府高官、国際機構の指導者が参会のために三亜を訪れた。

　豊かな観光資源およびその合理的な開発・利用により、三亜は着実に典型的な観光都市に発展している。ここ数年、観光を先頭とする第三次産業は毎年のように全市国内総生産の三分の一以上を占めた。現在、同市には星クラスのホテルが50余軒あり、航空路も国内線と国際線が30本近く開通し、年間に訪れる観光客は300万人を越えている。1999年、三亜市は中国国家観光局から第一陣の「中国優秀観光都市」に評定された。

　とにかく、三亜は新興の観光都市として、その将来のイメージと発展の軌跡はかなりの程度において都市の管理職と職員の設計によって決定づけられる。三亜人は環境と生態が三亜のイメージと富であり、三亜の発展は生態と環境の保護を土台としなければならないことを認識している。そのため、三亜市政府と観光業界は優美な生態環境の保護、建設を最も重要な目標としている。

　三亜の観光事業をスタート段階から持続可能な発展の軌道に乗せるため、三亜市政府は国外との交流において、都市企画、景観建設、業界管理の規範化などの面で国外の先進的経験を学び、国際レベルに高めることにとくに気を用いている。ここ数年来、三亜市は各観光地で環境品質管理国際基準システムを実施している。世界観光機構事務局長を含む多くの国際観光機構の官員と専門家は相次いで三亜を訪れ、三亜観光業の発展にいろいろの貴重な提案を行った。

　このほか、三亜は観光産業とプロジェクトの開発の面で、文化的内包の開拓・発展を十分に重視している。近年、三亜では多くのハイグレードの大型観光文化イベントが相次いで催された。年に一回の三亜天涯海角国際婚姻祭り、三亜南山長寿文化祭、新世紀海上日の出の生放送、新シルクロード中国モデルコンクール、世界太極拳健康大会などがそれである。これらの努力を通じて、三亜の文化的色彩と内包が豊かになり、より多くの内外観光客を引きつけるようになった。

「北京週報」2001.No12 より