洱海地区は昔は海だった、といわれている。先住民たちは蒼山に洞穴を掘って暮らしていた。この一帯は山のほかに湖だけだから、平地はなかった。観音菩薩が東方からやっていて茫々たる湖水を蒼山の麓に肥沃な土地が現れた。しかし、山の麓ははてしなく広がる森林であったため、山を下る道が見つからなかった。そのとき、一つがいのツルが飛んできて、人びとを洱海のほとりの平地につれていき、そこに家を建てさせた。これはパイ族の間で伝えられている「ツルのおかげで平地を開拓した」という民間の物語である。洱海は南から北までまるで柔らかい緑のじゅうたんのようで、蒼山と首尾をなすようにつながっている。洱海の水は透き通っており、湖水には白い帆が点在している。岸辺の島々、岩穴、湖沼、砂州、ヤナギの木々、村落は自然の美しい景観となっている。洱海の気候は変化に富み、景色もそれによって変化する。南北から見るとはてしなく広がる湖であり、西から見ると玉の帯のように細長くて美しい。洱海はときには波が高くなり、甲高い鳥の鳴き声が聞こえてくる。そして、ときには湖面は鏡のように静かになる。船で見てまわると美しい景色は人を酔わせるものがある。
「チャイナネット」2001年7月16日
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