山東省には優れた人材が輩出している。その中でもっとも有名なのは春秋、戦国時代の思想家――孔子と孫武である。『論語』は孔子の言論集で、儒家の経典と尊ばれている。『孫子兵法』は孫武の著作で、いまでも世界のもっとも優れた兵書であると見られている。この言論集と兵書を一巻にまとめて、両方を同時に勉学させるのは山東省の学者と出版者の独創的な考え方である。
出版社は中国書家協会主席、著名な書家沈鵬氏に書名を題してもらい、言語学者、国学大家の季羨林氏に序言を書いてもらった。
同書が宝典と称されるのは、それが後世に伝える名作であるだけではなく、貴重な純金材料とナメ技術で印刷したからである。同書は金紙19枚を使っている。B5判の金紙は純金1㌘ほど含んでいるので6㌘の金が必要である。金紙の印刷技術によって彩色の図文を直接金紙に印刷することができるだけでなく、金紙の鮮やかさも保つことができ、酸化、変色、湿気、虫食いを防止するなどの長所もある。
季羨林氏は、私の知っている限りでは、『論語』は最初に殷鐸沢と郭納爵によってラテン語に翻訳され、その後は、たくさんの訳本が出て、西方に大きな影響を与えた。『孫子兵法』も早くから外国語の訳本が出ている。ハイテクを使って儒家の経典と兵家の経典を金紙に印刷して、工芸性と収蔵価値がさらに高められ、中国文化の内容が豊かで、文と武が持ちつ持たれつで両方とますますりっぱになるという特色が表されている。同書の出版は人々に東方文化の素晴らしさをいっそう感じさせ、世界の人々に有意義な参考と啓発を提供する。
さる11月10日、同書の売出し式および座談会が人民大会堂で開かれ、全国政治協商会議副主席の趙南起氏ら各界の人々百人近くが参加した。会議の後、同書の出版者は国家図書館と故宮博物院に同書を寄贈した。
「チャイナネット」2001年11月19日