中国のWTO加盟はグローバル化に呼応する新しい情勢のもとで、中国が政治、経済など各分野でさらに積極的な姿勢で世界を目指すことを意味するものである。それによって引き起こされた中国における法律の改正はWTO加盟のうねりとともに現れ、それを中国の法律改正の三回目のうねりと称するものもいる。
中国の法律改正の最初のうねりは70年代末期に起こり、中国が改革開放の政策を確立したため、外資導入の法律が機運に乗じて生まれた。二回目のうねりは90年代の初めに起こったもので、鄧小平氏が中国南部視察の中で談話を発表してから、現代企業、金融、証券制度を確立するための一連の法律が次々に公布された。
WTO加盟に呼応するため、中国の現行の関連法律・法規は「制定」「改正」「廃止」という三つの状況を経つつある。統計によると、WTO加盟前後に制定または改正を急ぐ必要のある法律と行政法規は合わせて44件あり、いまではすでに34件が完了するとともに、すでに公布されるか次々と公布されることになる。廃止を必要とする12件の行政法規はすでに廃止が公表され、実行を停止する必要のある36件の国務院文書も公布される。制定、改正あるいは廃止を必要とする部門的規則は1000余件にも達し、国務院各部門の至急の整理を経て、基本的に完了し、次々と公布されている。
WTO加盟を前にして、中国の最高立法機関はWTOのルールと中国の公約に基づいて現行の法律、規則、規定に対し大がかりな整理を行った。そして前後して信託法を制定し、商標法、著作権法を改正し、その以前の特許法と中外合資経営企業法、中外合作経営企業法、外国単独出資企業法に対する改正を加え、基本的にWTO加盟前の関連法律の改正作業を完了し、WTO加盟後に法律・法規の制定、改正作業をさらにおしすすめるための礎を固めた。
立法関係者によると、今後、全国人民代表大会常務委員会はさらに中国のWTO加盟の新しい情勢に基づいて関係法律を制定、改正し、輸出入商品検査法、保険法を改正する予定である。反独占法の制定、対外貿易法と国境出入動植物検疫法の改正についての問題は、検討を急ぎ、最高立法機関にタイムリーに提出して審議を求めることになっている。これと同時に、行政法規、地方的法規と政府の諸規則もWTO加盟の新しい状況に基づいて、整理と改正が引き続き急がれることになろう。
観測筋によると、WTO加盟が中国に及ぼす影響は経済分野だけではなく、必ず中国の法秩序のプロセスの進展を大いに促すことになろう。WTO加盟によって引き起こされた中国の法律改正の三回目のうねりは中国の法律をWTOのルール、中国のWTO加盟の際の公約と一致させることになる。「国際行政法典」と称されているWTOのルールの制約する対象が政府であるため、ある程度においては、それは疑いなく政府の行為を法秩序化に向かわせるブースターとなろう。ある専門家は、WTOの貿易紛争解決メカニズムと貿易審査制度およびその他のWTOの監督メカニズムによって、中国政府はこれまでにない法秩序を推し進めるための強い外的原動力に直面することになろうと指摘している。
「チャイナネット」 2002年3月8日