■ 北京上海間高速鉄道ができると、どう便利になる?
京滬高速鉄道(北京上海間高速鉄道)が完成すると、北京・上海間の特急列車の所要時間は、9時間短くなる。上海から哈爾濱(ハルビン、黒竜江)、瀋陽(遼寧)、包頭(内蒙古)、蘭州(甘粛)、西安(陝西)、成都(四川)、烏魯木斉(ウルムチ、新疆)に向かう乗客や、北京から華東地方の各地に向かう乗客も、乗車時間が大幅に短縮される。京滬高速鉄道の完成後、旅客や貨物主にもたらされる利点は、所要時間の短縮に留まらない。
時速300キロ以上で走る、動力分散型の機関車に牽引された列車内で、乗客はインターネットに接続して電子メールを送れるだけではなく、バーでちょっと骨休めすることもできるという。また、機関車と列車の編成作業に手間がかからないので、発車時間を短縮でき、ピーク時には3分間隔での運行も実現できる見通し。乗客はいつでも乗車でき、必ず席を確保できる。
このほか、運行の集中管制、配車指揮、情報管理と施設の監視が一体となった総合自動システムによる統一指揮が行われ、全線で、強風、雨や雪、洪水、地震などの自然災害や、レールと車両の状態を、リアルタイムで監視制御できる。これにより、スピード、運行密度、快適性、性能、柔軟性、時間の正確性、安全性などに優れた、現代的な旅客輸送を実現できる。
鉄道部の技術責任者、何華武総工程師によると、京滬高速鉄道の完成後、京滬高速鉄道は旅客専用路線に、在来の京滬鉄道(北京上海線)は貨物主体の路線となり、「貨客分離」が実現する。その場合、北京から上海への高速列車の年間旅客輸送量は、片道でのべ8千万人に達する。現在の京滬鉄道の年間輸送量が同3500万人だから、2倍以上だ。同時に、京滬高速鉄道の完成により、在来の京滬鉄道の輸送能力も、極限まで発揮できるようになる。京滬鉄道の年間貨物輸送能力は、現在の片道8372万トンから、同1億3千トン以上に高まる。これにより、すでに輸送能力の限界に達している北京上海間の鉄道の負担が、根本から緩和され、旅客・貨物ともに順調に行き来できる状態が実現する。
「人民網日本語版」 2006年4月7日