2005年11月16日、「伊利」集団の潘剛さん(右から4人目)は、北京オリンピック組織委員会の代表と取り決めをし、正式に2008北京オリンピックのスポンサーとなった |
「以前は賞味期間が2、3日しかない低温殺菌の新鮮牛乳が市場の90%以上を占めていたが、2000年に、『伊利』が高温殺菌技術を真っ先に導入し、またスウェーデンのテトラパック社から導入した無菌封入技術を液体牛乳の生産に使い始めたことで、賞味期間は20倍以上延びた」と王さんは言った。
1996年、「伊利」の営業収入は3億6000万元しかなかった。今は、「伊利」は中国の乳業業界ナンバーワンのブランドとなった。2006年の第3・4半期までの主な営業収入は、すでに124億8100万元に達した。
「伊利」は、フフホト・包頭、北京・天津・唐山、東北の三大牛乳生産基地のほか、全国500以上の都市に販売ネットワークを設立し、さらに北京、天津、上海に支社を開設した。
2005年、「伊利」は2008年北京オリンピックの唯一の乳製品スポンサーに選ばれた。そして雑誌『フォーブス』が選んだ2006年の「世界で最も尊敬を得ている企業」リストのトップ 100 に入った。しかし「伊利」の目標は、2010年に世界の乳業のトップ20に入ることだ。
蒙牛乳業集団(以下は「蒙牛」と略す)の発展は、もっと奇跡的と言ってよいだろう。1999年に設立されて以来、8年間にその販売高は、3700万元から2006年には162億4600万元に増加した。乳業の業界での順位も1116位から、第2位に上昇した。現在、「蒙牛」は、全国15の省、直轄市、自治区に20以上の生産基地を設立し、その製品は全国的に販売されているうえ、米国やカナダ、東南アジア、香港、澳門などの国や地区でも販売されている。
「砂漠貫通道路」に沿い、「億利」資源集団は1000ムーあまりの砂漠の表面に、厚さ30センチの泥炭を敷き、野菜を栽培するビニールハウスを作った |
同時に「蒙牛」は、1億元以上の科学研究資金を投入し、中国初の乳業のバイオテクノロジーのプラットホームを作り、特級純牛乳の「ナイ爵6特乳」と「トロス(特侖蘇、モンゴル語で『金メダル級ミルク』の意味)純牛乳」を世に出した。2006年10月に開催された第27回世界乳業大会で、「トロス純牛乳」が国際酪農連盟(IDF)の新製品開発大賞を受賞した。
「伊利」「蒙牛」の二大乳業の飛躍的な発展によって、フフホトは中国乳業の「中心地帯」になった。フフホトから毎週8回、草原牛乳の専用列車が全国各地へ向かう。2003年9月から現在までに、すでに華東、華南の市場に運ばれた草原牛乳は、百万トン以上になる。2005年8月、フフホト市は、中国乳製品協会から正式に「中国の乳都」と命名された。現在、フフホト市では、1万人近くの人が、飼料や動物用薬品の生産や畜産機械の生産・販売などの関連産業に従事している。