昨年11月の「中国・アフリカ協力フォーラム」北京サミットは、中国とアフリカの関係の歴史において、前人の事業を受け継いで将来の発展に道を開く盛大な大会であった。中国とアフリカ48カ国の指導者、上層部の代表が歴史的な重要性をもって北京に集まり、共に協力を検討し、発展を模索した。双方は政治的には平等と相互信頼、経済的には協力とウィンウィン、文化的には交流と相互学習という、新しいタイプの戦略的パートナーシップの構築と発展で合意した。中国政府はアフリカとの実務協力を強化し、アフリカ諸国の発展を支持するために8つの政策を発表した。(文:タク雋・外交部部長助理)
過去1年間、北京サミットを新たな起点として、中国とアフリカの双方はサミットに続く活動を積極的に実行に移し、新しいタイプの戦略的パートナーシップを推進し、友好協力の新局面を切り開いてきた。
頻繁な交流、政治関係はより緊密に
中国とアフリカ諸国の上層部は頻繁に相互訪問し、各種の政治対話・協議を増やし、相互理解・相互信頼を一層強化した。胡錦濤国家主席、呉邦国・全国人民代表大会常務委員会委員長、賈慶林・全国政治協商会議主席はアフリカ13カ国を歴訪した。アフリカからは5人の元首または政府首脳が中国を訪問した。閣僚クラスでは100人余りが相互訪問を行った。中国はアフリカ10カ国余りと2国間委員会や外務省政治協議などを行った。議会・政党・地方交流も活発だ。中国はアフリカ連合(AU)やアフリカの準地域機関との交流・協力を強化し、アフリカ問題の解決におけるAUの主導的役割を支持している。中国政府は今年5月にアフリカ問題特別代表を初めて任命し、ダルフール問題の適切な解決を積極的に推進した。中国は現在、アフリカで7件の国連平和維持活動に参加し、平和維持軍事要員1300人近くを派遣、アフリカの平和維持と安定に自らの貢献を果たしている。
相互利益、実務協力の新たな楽章
中国とアフリカの双方は「8つの政策」を積極的に実行に移し、実務協力の踏み込んだ発展を牽引した。中国政府は対アフリカ支援の増加、債務免除、関税免除などの約束を迅速に果たし、「中国・アフリカ発展基金」を創設し、アフリカでの経済貿易協力区の建設を推進している。双方間の貿易額は引き続き増加し、双方企業間の協力熱は高まり、今年5月にエジプトで開催された「中国・アフリカ企業協力大会」には双方から500人余りの企業家が参加した。金融協力も強化され続け、上海で行われたアフリカ開発銀行(AfDB)グループ理事会の年次総会も成功に終わった。中国はナイジェリアのため、アフリカ初の自主開発通信衛星の打ち上げに成功し、中国とアフリカの宇宙協力に道を開いた。中国とアフリカの間には直行の航空路線4本が新設され、人々の往来は一層便利になった。インフラ整備、エネルギー資源分野の協力も着実に進展している。
学習と参考、人と文化の交流で友情を深める
中国とアフリカは、多様な形式と多彩な内容の人と文化の交流を実施し、市民レベルの相互理解と友情を深め、両大文明の相互参考と相互前進を促進している。中国はアフリカのための人材育成の規模を拡大。今年はアフリカ諸国に昨年より700人増の約2700人分の奨学金を提供し、今年だけですでに各種人員4000人余りを育成し、中国語教育用の孔子学院・教室を6カ所に設立することで6カ国と合意した。青年交流もまさに発展しつつある。胡錦濤国家主席の招待で、年内にアフリカの青年100人が訪中する。ボランティア活動のためにアフリカへ渡る中国の青年もどんどん増えている。文化公演、報道交流、学術シンポジウムもさらに活発化している。双方は友好省州・友好都市協定を新たに18組締結し、その総数はすでに84組に達している。
相互に支持 国際舞台での権利擁護
中国とアフリカは引き続き、重大な国際問題や地域問題で協調関係と協力を強化し、開発途上国の正当な権益を守っていく。中国は国連会議、主要国首脳会議(サミット)、開発途上国の指導者による会談などの場でこれまで同様にアフリカの利益を守り、アフリカの発展を促進するために発言を行う。また、国際社会、とくに先進各国に対し、アフリカの発展に対する関心を呼び掛け、アフリカ援助の約束を着実に果たしていく。アフリカの友好国は一つの中国政策を堅持し、中国が国際獣疫事務局(OIE)での地位を回復することを支持し、台湾が世界保健機関(WHO)への「加盟」を目指した第60回総会での企てと第62回国連総会における「台湾名義での国連加盟」のたくらみを挫折させた。
実務追求と刷新 フォーラムの成功
中国・アフリカ協力フォーラムは、中国とアフリカ国家が集団対話を行う重要な場であり、実務的な協力を行う有効な枠組みだ。7年間の発展過程を経て、フォーラムの運営ぶりはさらに成熟し、その効果が表れ、中国・アフリカ友好を率いる旗印となっている。中国・アフリカが北京での首脳会議で合意したところによると、今年9月に双方の外相は国連会議期間中に初の政治交渉を行い、フォーラムの枠組みの下で中国とアフリカ各国が定期的に外相クラスによる政治対話を行う体制が始動した。中国とアフリカが戦略的対話を行う上で、政治的な相互信頼が持つ意味は大きい。現在、中国・アフリカ双方は首脳会議の成果を実現させるべく、フォーラムの枠組み内で新たな考え方ややり方を積極的に模索し、フォーラムの体制を完全なものにし、双方の協力に新たな活力を注ぎ込もうとしている。
「人民網日本語版」2007年11月5日