中国製品の価格優位性に赤信号
米国のサブプライム危機の一方で、中国の輸出企業が直面している最大のリスクは商品の価格面での優位性が失われつつあることだ。
商務部国際貿易経済合作研究員の李雨時副院長は、「輸出への影響はむしろ、増値税還付率の引き下げ、加工貿易政策の見直し、人民元上昇、原料価格や人件費の高騰など国内的要素によるところが大きい。製造業の輸出利益はどんどん縮小している」と指摘する。
加工貿易新政策により、企業は貿易制限品目の加工を行う際に保証金を納めなくてはならず、企業のキャッシュフローに圧力となっている。これら要素はいずれも企業のコスト負担を重くし、中国製品は価格的優位を徐々に失いつつある。今年の広州交易会で、多くの企業が価格を10%前後引き上げ、受注に変動価格制を導入した。ただ、業界関係者は「(値上げは)主に中小顧客が対象で、大口顧客には安定した価格が必要となる。値上げ余地は限られている」と述べた。
多くの企業が顧客流出を恐れ、値上げを提案できずにいる。
中国紡織品輸出入商会の関係者は「輸出企業の間ではいかに発展するかではなく、いかに生き残るかが話題だ」と話した。同関係者によると、工場の利益率は一般的に2~5%で、税金還付、人民元相場の変動、品質などで問題が生じれば、企業は損失を計上してしまう。衣料、文具、プラスチックなどの業種では、企業が資金を不動産や株式に投じる例が増えている。
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