A株市場は昨年10月以来大幅な調整が行われ、投機資金の中国株式市場への流入意欲は低下している。今年、政策による引き締めと経済成長速度の鈍化の可能性から、A株市場の海外市場との相対的優位性は弱まるとみられる。年初以来、上海総合株価指数(SSEC)は既に30%近く下落、これは米国、欧州、日本、香港市場の年初以来の下げ幅を大幅に上回っている。A株市場の国際投機資金に対する吸引力は低下しているのだ。左記の理由から、ホットマネーが流出する可能性は充分に考えられる。昨年1年間の全世界の海外直接投資総流入額は1兆5千億ドルを記録したが、アナリストいわく、ホットマネーの流入規模はさらにこれを数倍上回るとしている。現在中国国内の銀行間取引市場の1日あたり3千億元から4千億元にも満たない上、株式市場の出来高も僅か1千億元にも満たない。取引規模が相対的に小さいだけに、国際投機筋にとっては、制御の容易なターゲットとして映るのだ。
しかし、ドルの下落がホットマネー流入のルートを断ち切る可能性がある。国際アナリストによると、ここ数年の世界的なホットマネーの発生・流動ルートは、日本円の低い利率を利用し大量に円を借入、これをドルに換え第三国に投資するというものだった。しかし現在米ドル・日本円レートは急速に下落しており、これがホットマネーの流動を断ち切る可能性は充分にある。
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