ベトナム株で4年の経験がある劉さんは自身の判断を確信している。ベトナムの経済発展はペースに問題はあるが、基本的な面では問題がない、と。
劉さんは2001年、10万香港ドルの資金をB株に投資して30万香港ドルに増やした。同年に香港市場に進出すると、さらに200万香港ドルに増えた。米国で同時多発テロ事件が起こると、今度は40万香港ドルに減った。
03年にはベトナム市場に進出した。当時の指数は200ポイントほどで、140ポイントに下がった時には30%ほどの損失が出たが、それでも株を持ち続けた。05年9月にはベトナム政府が外国資本のベトナム企業株式保有率の上限を20%から49%に引き上げ、ベトナム市場は空前の活況を呈した。指数が最高の1170ポイントを記録した時、劉さんが保有する株の時価総額は300万香港ドルに達していた。
劉さんは当時を振り返って「その頃のベトナム株式市場は狂奔状態にあったと思う。指数はきっと400ポイントまで下がると思った。昨年950ポイントに下がった時点で、すべての株を売却した。200万香港ドルの利益が手元からすり抜けたことになる」と話す。
劉さんの3年間のベトナム市場投資で、収益率は650%に上った。
現在の指数にリスクはないと思うかとの問いに対し、劉さんは「リスクはきっとあるが、上昇率は60~70%を超える」と答える。劉さんは「市場は急騰の後には急落する」との判断とともに、「急落の後には急騰する」との確信も抱いている。とはいえ、劉さんもベトナム市場がこれほど急速に下落するとは考えていなかった。年初以来、劉さんは6回ベトナムを訪れており、指数が400ポイント近くになったら香港市場からベトナム市場に乗り換えようと決めていた。
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