08年1月、1万人を超えるインドネシア人が大豆価格の急騰に抗議する街頭デモを行い、インドネシア政府は35%の大豆の輸入関税を急遽撤廃するはめに陥った。中国やインドなど多くのアジア諸国と同様、インドネシアでも大豆は主に南米からの輸入に頼っている。大豆価格は06年10月以降、世界的に急騰して過去最高価格を記録し、上昇率は80%を超えた。
07年6月、メキシコ国民は最も重要な伝統的穀物であるトウモロコシの価格が60%以上上昇したことに抗議した。メキシコは世界4位のトウモロコシ生産国で、食用の白トウモロコシの生産では世界トップだが、それでも価格上昇の影響を免れることはできなかった。
世界最大の穀倉地帯の一つであるアルゼンチンのパンパスステップは、土地が肥沃で食物が十分に収穫できると長年信じられてきた。パンやトウモロコシ、大豆、牛肉など、いずれも神様からの贈り物で、昔から今に至るまでアルゼンチン国民は食べ物で悩んだことがほとんどなかった。だが現在、こうした信念が現実に揺さぶりをかけられている。今年1月18日、アルゼンチン政府は国内の食糧供給を確保するため、大豆、トウモロコシ、小麦の輸出関税の再引き上げを検討すると発表。昨年11月にすでにこれら穀物の輸出関税を大幅に引き上げ、牛肉の輸出数量制限を実施したが、2カ
月経ってみると、国内は引き続き供給不足で、政策の再調整が必要であることがわかった。こうした問題をめぐり、アルゼンチンでは2カ月間に及ぶストライキも行われている。
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