日本の穀物自給率は1965年に75%に達した後は、年を追うごとに低下してきた。98年以降は40%の水準を保ち、60%を輸入に頼ってきた。2006財政年度末のデータによると、同年の自給率はわずか39%で、13年ぶりに40%を割り込んだ。日本政府の統計によると、日本は穀物の60%以上を輸入に依存し、18.3%を中国から、22.2%を米国から輸入している。このため日本では「中国が日本への農産品輸出を停止したら、日本人の食卓は大きく変わるだろう」との声がよくきかれる。丸紅経済研究所(所在地・東京)の柴田明夫所長はメディアを通じて「中国経済の急速な発展と穀物輸入の増加により、スシとステーキが日本人の食卓から消え失せ、これに代わりご飯につけものといった食糧危機時代のメニューが並ぶようになる可能性がある。日本人の食生活は1950年代の水準に下がるかもしれない」と述べる。
日本は穀物危機に突入するだろうか。穀物自給率だけをみれば、日本は本当に穀物不足に陥る可能性があるが、穀物にはさまざまな種類がある。現在の約39%の自給率は確かに低いが、これは政策の失敗によるところが大きい。日本人は自国産の白米を偏愛ともいえるほど好み、日本の農家もコメ生産を中心にやってきた。長年にわたり日本のコメは供給過剰気味である一方、その他の農産品の生産は長期間不振が続いている。日本では小麦、大豆、家畜飼料の輸入依存度もおしなべて高い。
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