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中国の対外貿易企業が知的財産権紛争に直面した時、これは国際市場が知財権保護ルールを乱用して、新たな貿易障壁を構築しようとしていると考えるのが一般的だ。
だがEUの欧州共同体商標意匠庁(OHIM)総務・渉外部でEU技術支援プロジェクトを担当するペリス代表は「EUの主管部門からみると、いかなる知財権障壁も存在しない」との見方を崩さない。
ペリス代表は次のように述べる。
中国企業の一部は欧州で専利保護を申請しており、製品の国際競争参入を保護する上でプラスになっている。だがその他のより多くの中国企業は、競争にまったく参入していない。
OHIMのデータによると、1996年4月から2008年8月までの間に、69万4977件の商標がOHIMに登録され、このうち中国大陸部からの申請によるものは2626件で、全体のわずか0.37%に過ぎない。一方、米国からの申請は全体の21%、ドイツは17%、日本は3%を占めた。香港・澳門(マカオ)・台湾地区を合わせても中国の登録件数は8654件で、全体の1.31%にとどまった。
これは不合理な状況だ。実際、EU内部で商標登録や専利許可の申請数が最も多い国、たとえばドイツ、英国、フランス、イタリアなどはいずれも欧州で経済が最も発展している国々だ。中国企業の申請・登録件数は中国の経済規模に比べて少なすぎるといえる。
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