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急ピッチで進む北京の地下鉄網整備
発信時間: 2009-02-27 | チャイナネット
   オリンピック前、北京に4本の地下鉄新線が開通した。――5号線、8号線、10号線、空港快速線。画一的なこれまでの地下鉄と違って、地下空間はより明るく、モダンでありながら、それぞれの駅に個性がある。国家水泳センター(俗称「水立方」)のオリンピック公園駅は、「水」と「海」をイメージし、天壇公園近くの天壇東門駅の中に祈年殿の屋根を模した円錐状の装飾がある……といったようにどの駅も周辺の建築物とマッチしたデザインが施され、地下鉄に乗って北京を観光した人間が、そうか、地下鉄そのものも北京の風景だったのだと、改めて気がつくのだ。

 



2008年北京地下鉄8号線(オリンピック支線)、10号線、空港快速線が相次ぎ開通した。2007年10月に開通した5号線を加えると、北京都市軌道交通は総距離114キロから200キロへと飛躍的に伸び、路面交通量の緩和に大いに貢献しただけではなく、市民の足としても重宝がられている。加えてこの年はオリンピック開催年でもあり、新しい地下鉄駅の設計は、いかに中国らしさを出すかでさまざまな工夫がなされ、美観を競った。

それぞれの駅にそれぞれの「顔」



オリンピック支線・森林公園南門駅

地下鉄8号線オリンピック支線の森林公園南門駅


森林公園南門駅は、オリンピック支線の終点である。駅の上はオリンピック森林公園になっているので、この駅は「森林」をテーマとした設計が施されている。2000平米余りの駅構内に32本の「白の巨樹」が一列に並び、「枝」が上に伸びて天井板で一体になり、全部の木が互いにぐるぐると巻きついている。明かりは、ちょうど木漏れ日のように不規則に伸びた「枝」の間からホールを照らす。地面には「落ち葉」が散り、周りの透明な防護板には白の巨樹がプリントされ、鳥が木々をかすめ、木陰で人々が凧を揚げ、空中ごまを回し、散歩し、太極拳をやっている。自然と人が一体となった情景が表現されている。

オリンピック支線・オリンピック公園駅

オリンピック公園駅は、いわゆる「水立方」の近くに位置するので、テーマはもちろん「水」。

駅の天井の水色のアルミ板と燃えにくいPVC素材のカサが、水色の海水と白い泡を連想させる。防護板には、ヒトデや熱帯魚、サンゴなどの海にまつわる図案が描かれている。

オリンピック支線・オリンピックセンター駅

オリンピックセンター駅はオリンピックのメインスタジアムに近いため、駅は「スポーツ」をテーマにしている。この駅構内に一歩入るとスポーツ一色。駅の出入り口は、いろんなスポーツ種目を演じる青色の妖精に囲まれた「A、B、C、D」のアルファベット表示である。駅構内の青色と白のしま模様の天井は、トラックと競泳コースを連想させる。

浅い灰色の駅のホームの、28本の青の四角い柱にもスポーツに興じる妖精の抽象画がたくさん描かれている。防護板にも体操・バスケットボール・スキー・卓球・自転車・アーチェリーなどが描かれ、まるで競技場にいるような気分になる。

オリンピック支線・北土城駅

北土城駅。10号線に乗るとここで8号線オリンピック支線に乗り換え、オリンピック公園などに行くことができる 地下鉄10号線の北土城駅


北土城駅はオリンピック支線と10号線の乗り換え駅。元代(1206~1368年)の首都・大都(北京)の土城壁遺跡に近いため、10号線のホームは城壁のレンガの色に合わせて濃い灰色を基調とし、壁に古城壁の図案が描かれている。一方、オリンピック支線のホームは白地に藍色の模様を施した「青花磁」がテーマになる。ホームの入り口、柱、壁や表示板に中国の伝統的な青花磁の図柄が描かれている。

なかでも柱に描かれている青花模様は、高さ3メートルもある全体がホウロウでできた鋼板の上に印刷されたもので、焼き上げるまでに色落ちなどが正確に計算され、制作もかなり複雑であった。関係者によると百年退色しないという。

この他にも北土城駅はホームの表示板を瓶形にしたり、駅のホールの白い天井に中国古代の装飾天井板の造形を写したり、防護板に梅・蘭・中国結びや竜・竜船競漕などの図案を描くなど、いわゆる「中国風」をあしらっている。

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