中国農業銀行の沈炳煕董事(理事)も次のように述べる。銀行の営利モデル転換プロセスにおいて、ネット銀行はサービスの重要なルートであり、支店網のカバー率不足の問題を効果的に解決するものとなる。長期的にみて、一般的な銀行支店網は今後、営業活動と顧客とのコミュニケーションを主要任務とするようになり、より多くの具体的な業務はネット銀行で処理されるようになるとみられる。
ネット銀行業務が商業銀行に占める割合が徐々に高まり、その質とサービス水準も目立って改善されている。中国金融認証センター(CFCA)の曹小青副総経理によると、2008年以前は国内商業銀行のネット銀行業務には同質化の問題が一般的にみられたが、現在は個性化がネット銀行発展の方向性となっており、複数のネット銀行を横断した合同調査の実施や、ネット銀行と企業内部の財務ソフトウエアとの連携などが行われている。
だが中国建設銀行電子銀行部顧客体験センターの寇冠・高級経理は次のように述べる。海外の同業者と比較して、中国のネット銀行はまだ立ち後れている。特に顧客との実際のやりとりの経験が圧倒的に少ない。ネット技術の開放を背景として、安全性や操作性を含めた顧客との実際のやりとりの経験が今後、ネット銀行の顧客争奪戦において重要な役割を果たすことになる。
楊専職副会長によると、ネット銀行のさらなる発展に向けて、消費者の実際の利用体験を十分に考慮し、安全確保の技術の応用・普及を着実に進めることが必要だという。
王所長も次のように指摘する。これからのネット銀行は単なる業務ルートにとどまらず、銀行と消費者との良好な相互関係を構築するプラットフォームになる。商業銀行のネット銀行業務では安全性、利便性、業務の多様化のほか、血の通ったやりとりを重視しなくてはならない。そうすれば資産管理の機能を果たすことも可能になる。
「人民網日本語版」2009年12月14日
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