米ゼネラル・モーターズ(GM)傘下のスウェーデン系自動車会社「サーブ・オートモービル」の行く末に一抹の光明が差してきた。北京汽車工業株式有限公司は14日、サーブとの知的財産権をめぐる買収取引が完了したことを明らかにした。「サーブ9-5」や「サーブ9-3」など3車種の完成車プラットフォームも取引内容に含まれる。「国際金融報」が伝えた。
北京汽車によると、今回の買収により、北京汽車は「サーブ」2シリーズのターボエンジンおよびトランスミッションに関する技術の所有権や一部の生産設備を取得した。またサーブ側は、北京汽車が「サーブ」の技術を利用して独自ブランド車を開発するのを支援することになるという。
ある自動車評論家によると、「サーブ」は小さなブランドだが、「9-3」「9-5」は成熟した車種であり、その技術により北京汽車が発展させたいと願うハイエンド車の空白部分が補われるものと期待される。
ある業界関係者は次のように述べる。今回の取引は北京汽車が技術や設計力を強化する上で一歩前進したことを意味する。またGMのサーブからの撤退プロセスを加速することにもつながる。GMが今回、中国企業との取引を行ったのは、赤字のサーブが早急に現金を必要としていたことや、過剰な資産の切り離しが必要だったことなどが原因だ。だが、取引の財務条款については明らかにされていない。
また同関係者によると、日ごとに成熟に向かう中国自動車市場にとって、ハイエンドスポーツタイプ乗用車が一つの発展の方向性だ。北京汽車の今回の動きから、苦況に陥った海外自動車メーカーやその技術を積極的に買収し、買収を通じて世界的な競争力を備えた数少ない自動車メーカーになろうとする中国企業の意欲がうかがえる。
「人民網日本語版」2009年12月15日 |