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中国の成長ペースはどれくらい持続するか?
発信時間: 2009-12-23 | チャイナネット

(2)金融の発展と金融リスクの防止

1998年のアジア金融危機の時には、中国の大手銀行の不良債権率は20%を超え、当時は技術的にはすでに破産状態にあると言われていた。それから10年後のこのたびの金融危機に際して、中国の金融機関は「一人勝ち」と呼ばれるに至った。確かに、ここ数年の中国金融機関は改革の推進で大きく進展した。だが忘れてはならないのは、中国経済の高度成長は順調な流動性と業務拡大の大きな可能性をもたらしたということだ。先進国は通貨政策を緩和し、貸付金を引き締めた。一方、中国の通貨政策は引き締めに向かい、貸付金は大幅に増加した。ある統計によると、今年第1-3四半期(1-9月)の銀行の貸付金の60%は、各級政府のプロジェクトに投入されており、政府プロジェクトがリスクを受け止めているといえる。こうした情況がリスク分散メカニズム全体にとって大きな問題となっている。

(3)サービス業発展の問題

中国経済の高度成長期が終わった後には、製造業の、特に工業の伸びが相対的に低下するとみられる。サービス業の発展がおいつかなければ、経済成長ペースが大幅に低下する可能性がある。現在のサービス業には多くの問題があり、中でも開放度の低さが最も大きな問題となっている。サービス業では人と人との交流が大きな部分を占め、小さな企業や小型の製品が参入しなければ成り立たない。よって開放、競争、参入基準の緩和が非常に大切になる。現在のサービス業では、金融、通信、輸送などの基礎的産業であれ、教育、医療、出版、文化などの産業であれ、参入基準を緩和し、公平な競争が行われるようにすれば、成長と革新に向けた潜在力が非常に大きなものとなる。

現在私たちは経済の高度成長期にあり、一連の問題点を解決し、カバーすることが可能だ。高度成長期が終わった後には、一連の問題をカバーしようにも達成は難しくなる。これからの約10年には、さまざまな準備を現実に十分に即して行うことが必要であり、実質的な推進こそが必要になる。成長ペースが鈍化したしても、成長モデルと発展モデルの転換を通じて、かえって成長の質が高まり、中国経済は引き続き活力に満ちた持続可能な発展段階に突入することになるだろう。

「人民網日本語版」2009年12月23日

 

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