中国鉄道部の鄭健総計画師は13日、メディアの取材に応じた際、上海杭州間のリニアモーターカー建設事業が許可され、研究を進めていることを明かした。これにより波紋が広がり、『上海・杭州間を10分短縮するために数百億を投じリニアを建設』という書き込みが掲示板に登場した。多くのネットユーザーはこれに共感し、「上海・杭州間にリニアを建設する必要はあるのか」と疑問を抱いている。
高速鉄道より10分速いだけ
書き込みでは上海・杭州間を走る3種類の列車の速度が比較されている。動車組(新幹線型高速列車)は78分、今年末に開通予定の高速鉄道は48分、リニアが建設されれば38分。つまり、リニアは高速鉄道より10分速いだけである。それに数百億元を費やすというのはどうだろうか。
2006年3月、国務院が上海・杭州間のリニアモーターカー建設事業の計画を許可した際、建設費用は約350億元になると見込まれていた。
「関係部門はまず輸送量から必要かどうかを分析し、プロジェクトの投資主体、財政投資はあるか、投資回収率の計算方法などを説明する必要がある」と、あるネットユーザーは指摘する。ネットユーザーはこのような重大プロジェクトは情報を公開すべきだと考えている。また、多くのネットユーザーは、このプロジェクトは具体的な考察を行い、国民や人民代表大会での同意を得る必要があり、政府活動の監督はこのプロジェクトから始めるべきだと提起している。
リニアのモデルラインは大幅赤字
多くのネットユーザーは、リニアの維持費や運転コストが高く、リニアの低周波磁界が病気の発生率を高め、周辺住民の体に大きな影響を及ぼすことを懸念している。また報道によると、上海市が120億元を投資し建設した上海浦東空港・竜陽路間の31キロに及ぶリニアモーターカーのモデルラインは、毎年数億元の赤字を計上している。2007年に上海市はリニア延長を計画していたが、輻射への懸念や立ち退き問題を理由に住民が反対し、リニア延長計画は未だに「考察段階」のままとなっている。
「チャイナネット」 2010年3月17日