崩壊論を支持する人は、中国政府の経済・金融リスクに対する調整能力をことさらに過小評価している。中国不動産市場に問題が存在するのは事実だが、政府が最近、一連の調整措置を相次いで打ち出し、これらの措置が効果を現し始めている。この事実をみると、政府が方向性と柔軟性をもって打ち出したマクロ調整手段が、経済・金融における各種リスクに対して有力な影響を与え得ていることがわかる。この点が西側諸国とは本質的に異なる。
実際、中国経済の発展プロセスにおいて、多種多様な中国経済崩壊論が相次いで登場してきた。その動機はさまざまで、偏見で理性が曇った論調もあれば、誇大な言説で注目を浴びたものもあり、少数だが中国の衰退を語って漁夫の利を得ようとするものもある。だが、どの崩壊論も中国問題に対する全面的な深い理解に欠けていることは明らかで、客観的でバランスのとれた分析を欠いていることも明らかだ。
客観的にみて、複雑な国際経済環境の下で中国経済が進んでいく道は平坦ではないし、国際金融危機が世界経済に与える後続的な影響が、これまでになかったような形で中国に波及する可能性もある。これに中国経済の内生性の問題が加わって、今後の経済発展はより大きな複雑性と不確定性に直面する可能性がある。中国とすべての市場参入者は中国経済に対する冷静な認識に基づいて、より大きな決意とより冷静な態度をもって理性的に対応しなくてはならない。このため、さまざまな中国経済崩壊論に対しては、それがどんな目的によるものであれ、妥当な誤りの指摘があれば改善し、なければ一層努力する、という態度を取ることは差し支えない。
「人民網日本語版」2010年5月10日