ある市場アナリストによると、株式指数先物が上場して以降の取り引き金額は大きくみえるが、取引保証金やT+Oマーケット取り引きといった特徴を考えれば、取り引き金額は大きくみえるに過ぎない。実際、現在の株式指数先物市場には2万人前後の投資家がいて、数百億元の保証金が積まれているが、A株市場の時価総額20兆元に比べれば微々たるものだ。もしも株式指数先物取引が株式市場下落の主要因とするなら、これは「ゾウにつまづくアリ」のようなもので、株式指数先物取引市場の能力は、基本的にはこのたびの長期にわたる大幅な下落を導くには力不足だ。当然ながら、今回の下落により、ショート取引に対する監督管理をどのように強化するか、株式指数先物取引に関連する制度をどのように改善していくか、という点について注意が喚起されもした。
▽本当の「市場の底」はいつ?
一連の下落を経て、今月13日の市場は力強い反転上昇ぶりをみせた。市場はすでに底を打ったのか。それともまだ底に向かう途中の一時的な反発なのか。
中信証券の却峰研究員によると、短期的には市場に「出来高の底」と「時価総額の底」が出現する。最も悲観的な予測では、2010年の利益の前年比増加率は15.8%前後に落ち込み、PEGレシオ(株価収益率(PER)を一株当たり利益成長率で割った値)は15倍に低下し、上海株式指数も2410ポイント前後となった。だが価格の底は往々にして後から判断するものであり、本当に市場の底がいつ出現するのかは、やはり市場観測と経済観測の変化によって決まることになる。
政策面での予測について、中信建設の劉献軍アナリストは次のような見方を示す。4月の経済データ、特に消費者物価指数(CPI)データが発表された後、2つの現象が投資家の注目を集めた。一つはCPIが記録を更新しつつ、変動幅が多くの予想を下回ったことで、もう一つはCPIデータの発表後、市場で金利引き上げに関する声が大幅に減少したことだ。この2点は少なくとも、構造的なインフレデータの下で、経済の局面が一層複雑化しており、こうした時に中央銀行は金利引き上げ手段の使用により慎重になる、ということを示している。
「人民網日本語版」2010年5月14日