第2回中米戦略・経済対話の経済的背景は?

タグ: 中米 戦略 経済 対話

発信時間: 2010-05-17 16:57:13 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

昨年7月27・28日の両日、米国の首都ワシントンで第1回中国米国戦略・経済対話が行われた。これは戦略と経済という2つの大きなテーマを初めて一体化させた、両国間の新しい対話メカニズムの始まりだ。

第2回中米戦略・経済対話は今月の24・25日に北京で開催される。開催を目前にしながら、対話の正式な議題と具体的な議事日程はまだ公表されていないが、専門家の指摘によると、今回の対話は世界で最も重要な二国間関係の将来の方向性を決めるものになるという。

対話をめぐる現実の経済的背景として、次の4点が挙げられる。

(1)中国の構造調整・内需拡大の任務は重く道は遠い:米国の外債の赤字は高止まりの状況

中国では2009年の経済成長率は8.7%に上った。2010年3月には72億4千万ドルの貿易赤字が出現し、70カ月続いた貿易黒字局面に終止符が打たれた。金融危機の後、中国政府は個人消費ニーズの刺激を一貫して重要項目に挙げている。構造調整、内需拡大、経済発展モデルの転換の各プロセスは、実のところ中国経済の現代化プロセスそのものだ。とはいえ、中国の構造調整や内需拡大の任務は重大で、その道のりは遠い。

米国では09年の国内総生産(GDP)成長率がマイナス2.5%となった。財政方面では、同年の連邦政府の財政赤字はGDPの9.9%に相当する1兆4100億ドルに上った。2010年の財政年度上半期の財政赤字は前年同期比8%減少し、情勢は好転した。米財務省の推計によると、2010年の財政年度の財政赤字はGDPの10.6%に相当する1兆5600億ドルに達し、今後の財政年度の赤字は2011年が1兆2700億ドル(同期のGDPの8.3%に相当)、12年が8300億ドル(同5.1%)、13年が7300億ドル(同4.2%)に達する見込みだ。巨額の財政赤字は米国の巨大な外国債券の規模に対応するものだ。今年2月末現在、米国の国債発行規模は3兆8千億ドルに達しており、少なくとも今後2-3年は、規模は継続的に増加こそすれ、縮小することはないとみられる。

(2)中国のPFII制度は徐々に発展:米国の金融監督管理改革は試運転で挫折

中国国家外匯管理局は早くも07年12月に、適格国外機関投資家(QFII)の投資額上限を300億ドルに引き上げると宣言した。09年9月には、QFII機関1社あたりの投資額の申請上限を8億ドルから10億ドルに引き上げた。10年3月31日までに、QFII資格を取得した海外機関は88カ所に上り、承認されたQFII投資額は累計170億7千万ドルに達した。うち09年7月の第1回対話以降の投資額は20億7千万ドルに上った。全体として、米国側が要求し、中国側が承認した投資額上限の300億ドルには、なお大きな開きがあるといえる。

昨年12月、米国下院は金融監督管理改革プランを可決したが、今年4月に上院が同プランを可決しなかったため、改革は頓挫した。採決の結果をみると、上院、下院ともに同プランに賛成した共和党議員は皆無で、このことは金融監督管理システムの改革における民主党と共和党との間の深刻な亀裂を物語るものだ。また製造業、小売業、サービス業などの米大手企業約130社が、大規模なデモ団体を構成し、改革の立法プロセスに圧力をかけている。これに先だって、改革による直接的な影響を受ける米国の大手金融機関が、場外での主要反対勢力となった。立法プロセスの複雑性や反対圧力の声の高まりを踏まえれば、米国の金融監督管理改革には多くの変数があり、楽観視を許さないということができる。

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